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- 2017/01/20 掲載
Amazon Launchpadを巡る同床異夢、なぜアマゾンに期待が集まるのか

商品のPRから配送、資金融通、海外展開まで支援
アマゾンは「Amazon Launchpadストア」を同日開設した。スタート時点でMAMORIO、BONX、VIE STYLE、KAMARQなど15社以上のスタートアップ企業の参加が明かされ、ウェアラブルデバイス、スマートホーム、知育・学習玩具など250以上の商品を取り揃えた。先日公開した記事でも触れたが、Amazon Launchpadは2015年に米国で立ち上げたサービスだ。現在8か国で展開、全世界で1200社以上のスタートアップ企業が利用しているという。
日本では、一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会、Makuake、ABBALabと提携し、今後さらに対象となるスタートアップ企業を募集する。
「Amazon Launchpad」のサービスとしては、スタートアップ企業の製品を動画や写真で説明、活用シーンなどを提示したり、開発ストーリーやチームの紹介などのマーケティングおよびセールスサポート、「Fulfillment by Amazon(FBA)」による倉庫・配送サービス、アマゾンレンディングによる運転資金の融資、海外展開なども含まれる。
スタートアップ企業の反応は上々
今回の日本での発表に伴って、国内のスタートアップ企業の受け止め方はどうだったのか。発表当日は、Qrio 代表取締役の西條晋一氏、Cerevoの代表取締役CEO 岩佐琢磨氏、ABBALab 代表取締役 小笠原治氏、サイバーエージェント・クラウドファンディング代表取締役社長中山亮太郎氏、BONX CEOの宮坂貴大氏らスタートアップ企業のトップが登壇した。ウェアラブルトランシーバーを手がけるBONXの宮坂氏は、ハードウェア開発を「ファッキンハード(ハードウェアは辛い)」と表現する。そんな中で、製造から営業、流通までの地味で膨大な手数がかかる作業をやりながらものづくりをしてきた経緯を振り返り、「(流通などの業務をアマゾンがやってくれるので)ものづくりに集中できるのが助かる」と歓迎した。
ABBALabの小笠原氏は投資家の目線で、「スタートアップ企業の中にはクラウドファウンディングで目標を達成することで燃え尽きてしまうケースもある」と指摘。ものを作ったあとに販売するという作業の重さがAmazon Launchpadによって軽減されると期待を寄せた。
「スマホが登場し、アプリを作るスタートアップ企業が一攫千金を目指して市場が賑わったように、ものづくりの分野においてもキラリと光るアイディア商品を簡単に欲しい人に届けられることで、ようやくハードウェアのスタートアップが賑わうのではないか」
Makuakeを運営するサイバーエージェント・クラウドファウンディングの中山氏も「アマゾンで販売するというモチベーションや、実際に注文が入ってくる体験をすることで、次の目標に踏み出す、まさにローンチパッド(発射台)」と評価。クラウドファウンディングを達成したスタートアップ企業の次の支援は課題だったそうで、量販店やデバートなどでの企画販売や催事など売り出す施策などでスタートアップ企業を支援していたというが、「Amazon Launchpadによって拡販の道筋が立つことで、ストーリーが描きやすくなった」としている。
【次ページ】一部にあった冷静な見方
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