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アマゾンが提供している「Amazonログイン&ペイメント」の導入企業が、この1年で急拡大している。なぜ、EC事業者がこぞってこのサービスを導入しているのか。一般ユーザーにはどのようなメリットがあるのか。アマゾンジャパンの井野川拓也氏が、同社のビジネスの現況と、Amazonログイン&ペイメントを導入した出前館や劇団四季、バッグ販売サイトなどの事例で生まれた成果などを解説した。
Amazon創業者のベゾス氏が考えた成長モデル
今やECの「覇者」となったアマゾン。同社の業績推移を見ると、2007年に148億ドルだった売上が、2015年には1,070億ドルと大きく成長を遂げた。特に最近の成長は著しく、前年比で20%も売上が伸びた。一方、集客力を見ると、現在のAmazon.co.jpにおける月間ユニークビジター数は3,000万を超えているという。
「サービスの利便性も高まりました。関東と関西を中心に全国9ヵ所の物流拠点があり、配送スピードの改善に努めています。たとえば、物流拠点に近い関東一円から、東海、関西にかけては、当日配送で約78%をカバーしています。また翌日配送では全国の約95%をカバーするまでに至りました」(井野川氏)
Amazonの3つのビジネスモデルと3つの最新トピックス
アマゾンのビジネスモデルは大きく3つに分けられる。1つ目はWebサイトを通じた物品の直販。2つ目はユーザー同士で商品の売買ができる「Amazonマーケットプレイス」だ。Amazonのアカウントがあれば、フリーマーケットのように、誰でも他のユーザーが出品した商品を買える。Amazonは支払い処理代行や商品保証を行い、出品者から一部の手数料をもらう形だ。そして3つ目が「Amazonログイン&ペイメント」だ。これにより、独自ECサイトでもAmazonアカウントでログインし、安心して支払いが行える。
次に、井野川氏は昨年のビジネスを振り返り、3つの最新トピックスを紹介した。
1つ目のトピックスは、Amazon.co.jpでPrimeサービスの充実を図ったことだ。年間3,900円で同サービスの会員になると、当日・翌日配送のお急ぎ便や配送日時指定便が使い放題になるほか、ストリーミングサービスの「Prime Video」「Prime Music」の見放題・聞き放題、Prime会員限定の1日のみのセール「Prime Day」のタイムセールを先行利用できる。最新サービスとして、クラウドに動画や写真を無制限で保存できる「Prime Photo」も加わった。
2つ目のトピックスは、注文後に1時間以内で商品を届けるサービス「Prime Now」の開始だ。これは1万5,000件の日用品から家電製品までを対象とし、1回890円で利用できるサービスだ(2時間便は無料)。スマートフォンの専用アプリから注文し、配送状況も地図から確認できる。東京、川崎、横浜、大阪、兵庫など、順次エリアを拡大中だという。
2016年2月23日にアナウンスされた新たな「Prime Now」対象エリア |
都・県 | 地域 |
東京都 | 千代田区、中央区、港区、江東区、新宿区、江戸川区、
台東区、墨田区、文京区、足立区、葛飾区、荒川区 |
千葉県 | 市川市、浦安市 |
最後のトピックスは、まだ日本ではサービンインしていないが、米国で始まった「Amazon Echo」だ。これは音声でコントロールするアシスタントデバイスだ。クラウドを活用し、ニュース・天気・ウィキペディアなどの情報収集から、音楽再生、ショッピングリスト管理、アラーム/タイマーまでの機能をサポートしている。
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