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  • 2017/06/02 掲載

SDGsとは何か?「持続可能な開発目標」をダイバーシティ経営でビジネスに活かす方法

ダイバーシティ経営におけるLGBT対応

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国連が定める「持続可能な開発目標(SDGs)」に注目が集まっている。SDGsは、2030年までに政府や企業を含めたあらゆる立場の人々が解決すべき目標として設定されており、その中には、「働きがいと経済成長」など経営戦略に関わるものも含まれる。では、このSDGsをどのように経営に組み込んでいけばよいのか。トロワ・クルール 代表取締役 増原裕子氏が、持続可能な社会をつくり、企業価値の向上につなげていく「攻めのCSR」という観点から、ダイバーシティ戦略にSDGsを活用する方法を解説する。
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SDGs 世界を変えるための17の目標
(出典:国連広報センター)



SDGs(持続可能な開発目標)とは

 2015年9月、国連本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」において、193の加盟国の全会一致で「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、SDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals、エス・ディージーズ)が掲げられた。

 SDGsは、持続可能な社会をつくることを目指し、世界が抱える問題を17の目標と169のターゲットに整理したものだ。17の目標には貧困問題、気候変動や資源エネルギー、都市問題、地域間・国内格差など、2030年までの達成に向けて世界が一致して取り組むべきビジョンと課題が網羅されている。

 SDGsは、途上国も先進国も含めた世界中の1人ひとりに関わる取り組みだ。今やSDGsのかけ声となった"Leave no one behind"(誰一人取り残さない)という言葉に、その理念が凝縮されている。

SDGsとMDGs(ミレニアム開発目標)の違い、企業との関わり

 SDGsは2015年に終了した「MDGs(ミレニアム開発目標、Millennium Development Goals)」を継承し、「ポストMDGs」として位置づけられているが、SDGsとMDGsには決定的な違いが2つある。

 1つ目は、MDGsは国連や各国政府など、開発を専門とする機関の目標だったのに対し、SDGsはあらゆる人々の目標となっている点だ。企業も積極的な関わりを期待されている。

 2つ目として、MDGsは「何をすべきか」という行動目標だったのに対し、SDGsは2030年に世界が「どういう状態になっていなければいけないか」という成果目標になっている点が挙げられる。

 もはや「うちの企業は関係ない」とは言えなくなったSDGsに、企業はどう取り組んでいくべきなのだろうか。企業には義務が与えられているわけではなく、社会課題の解決を通して、目標達成への自主的な貢献が期待されている。

 日本ではまだ一部の大手企業を中心に、CSR報告書等でSDGsに言及している段階だが、今後は事業の取り組みとの関連づけや、自社にとってのバリューチェーン上での影響のマッピングを基にした具体的な取り組みが加速していくことが予想される。

ビジネスチャンスとしてのSDGs

 SDGsにおいて、政府だけでなく、民間企業、市民、研究機関など、各方面の多くの人々の参画のもとで、社会課題を2030年までに解決していく合意が国際的に得られた。SDGsはビジネスの「共通言語」として使える点で注目に値する。

 ここ数年の経営環境において、持続可能性を意識したサステナブル経営や、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)に配慮している企業を重視・選別する「ESG投資」の流れが強まっている。SDGsが採択されたことをきっかけに、企業においても、社会的な課題解決が事業機会を生み出す形が広まりつつあると言えよう。企業は「国連から降りてきた目標」として受け身に捉えるのではなく、「大きなビジネスチャンス」として積極的に取り組むことをお勧めする。

 企業はSDGsをCSV(共有価値の創造、Creating Shared Value)の機会と考え、17の目標に能動的に関わり、将来のビジネスチャンスの核がないか、あるいは将来のリスク管理に役立つ領域がないかをまず社内で検討するところから始めることができる。

 もちろん、1つの企業で、17の目標すべてにコミットしなければいけないわけではない。まずは企業価値を高めるための指針として参考にし、自社事業で解決できる社会課題に挑戦することがSDGsの意義ある活用方法だと言えよう。SDGsに関する企業の取り組みが進み、可視化されていくにつれて、SDGsが消費者の購買行動にも影響するようになってくるはずだ。

【次ページ】ダイバーシティ経営とSDGsの関係

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