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  • スペシャル
  • 2017/12/19

経費精算、調達・購買業務は「宝の山」、間接コストの削減に効く次世代BPOの全貌 (2/2)



3つの視点で考えるBPaaSのメリットと将来

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ITmediaエグゼクティブ
エグゼクティブプロデューサー
浅井英二氏
 続いて、「間接材購買の変革が産み出す競争優位性」をテーマにした討論会が実施された。司会はITmediaエグゼクティブ エグゼクティブプロデューサー 浅井英二氏が務めた。同氏は3つの視点で質問を用意した。まず「企業の間接購買業務や経費精算のコスト削減を阻む原因とは?」と、各パネリストに問いかけた。

 前出の毛利氏は「一番難しいのは、いかに社内統制を強化するかです。(日本企業ではまれだが)間接材の改革とセットで購買に関する組織をつくることをオススメします。購買に関してリーダーシップを発揮する“CPO”(Chief Procurement Officer)のような役割をつくることから始めるとよいでしょう」とアドバイスした。

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SAP Ariba APJ COO
オフィス バリュー・パートナー
小野寺富保氏
 SAP Ariba APJ COO オフィス バリュー・パートナー 小野寺富保氏は「海外では20年前から戦略的調達を展開し、宝の山といわれる間接材に手を入れ、利益を出そうとしてきました。一方、日本は直接材ありきの購買が中心で間接材はバラバラに管理され、経営指標で一元管理する概念もなかったのです。これによりカタログ化やMRO(Maintenance Repair and Operations)が進み、それを間接材として捉えてしまったのです」と振り返る。

 コンカー ソリューション統括部 部長の柏原伸次郎氏は、経費精算面から「難しいのは経費規程の統一性です。海外に比べ規程が細かいため、システムが複雑で、チェックも煩雑です。ただし我々のお客様は、クラウド上で自社ルールを統一化し、すべての従業員が同じ規程で自動チェックできます。BPOの際も均一のルールで任せやすい体制です」と指摘した。
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コンカー ソリューション統括部
部長 柏原伸次郎氏


 2つ目の質問は、BPaaSへのアプローチからの視点だ。司会の浅井氏は「従来のアプローチの相違点と、IBM+SaaSのメリットについて教えてください」とたずねた。

 IBMの毛利氏は「難しいシステムも短期間で導入できることです。カスタマイズ性はありませんが、クラウドに付随する業務を淡々とこなすと、他業務もクラウド化したいという要望が広がるでしょう。BPaaSは、そういった業務をまとめて引き取ってくれます。SAP AribaやConcurを使いこなすには規程や業務を変える必要があります。この部分もIBMがお手伝いできるところ」と強調する。

 SAP Aribaの小野寺氏は、BPaaSとSAP Aribaが同時に提供されるメリットとして「グローバルで先進的な調達をしている企業といえば、昔からGEとIBMでした。その実績と積み上げがあり、IBMからBPaaSが出てきました。我々はこの上にSaaSであるSAP Aribaを載せることで、包括的かつ持続的なベストプラクティスを提供できます」と見解を示した。

 一方、Concurからみても、BPaaSで提供されることにメリットがある。同社の柏原氏は「ナレッジを持つIBMから、経費の統一性のアイデアを受けられること、経費精算システムの導入初期からのサポートもメリットと感じています」と歓迎した。

 3つ目の視点は将来への展望だ。浅井氏は「BPaaSは、これからどんな未来を描けるのでしょうか?」とたずねた。

「BPaaSは多くのテクノロジーを取り込みながら進化したのち、(各SaaSで集めた)データを活用して洞察を引き出し、業務そのものを変革する世界に入るでしょう」(毛利氏)

「今後、SAP AribaはWatsonと連携して、契約などで必要なプロセスの明示をするほか、調達・購買業務で求めるベストな製品を推奨してくれるような方向に進んでいきます。またサプライヤーのリスクを避けるためのさまざまな情報も提供し始めています」(小野寺氏)

「電車に乗る際にSuicaなどの電子マネーは当たり前になり、そのデータをConcurに集めやすくなりました。旅行、タクシー、駐車場などさまざまな企業と連携を進め、正確なデータを取って、ユーザーが無意識のうちに経費精算が可能になると思います。最終的には自動化を目指します」(柏原氏)

グローバル企業の経営インフラの礎をBPaaSで構築する日東電工

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日東電工 専務執行役員
CIO 表利彦氏
 最後のセッションでは、BPaaSを導入し、中核事業への経営資源の再配置を実現した日東電工(以下、Nitto)が登場した。同社は来年で100年を迎えるグローバル企業で、国内外でグループ企業約100社を擁する。光の波長を制御するフィルムなどのオプトロニクスや、電気を絶縁用のインダストリアルテープ、ドラッグデリバリーといったライフサイエンス分野で強みを持つ。

 同社の表利彦氏は、「現行システムが非常に複雑で、生産性が著しく低いという課題がありました。シンプルなシステムに刷新するにも、業務を変えないと導入できません。また事業別セグメントや地域別売上が偏っていました。そこでポートフォリオ変革や間接業務のグローバル集約を進め、シェアードサービスとBPOを活用することで、筋肉質でスケーラブルな経営インフラを目指しました」と打ち明ける。

 つまり、各リージョンの会社をまたがって業務を集約化し、業務レベルの向上とスケーラビリティの獲得を目指したのだ。これにより商流集約し、事業構造をシンプルにする。

 経営インフラの変革を進めるにあたっては、「SAMURAI Project」が発足し、トップダウンと部門横断で推進。当初からグローバルメンバーがゴールイメージを共有した。そうすることで、なりたい姿を各人が自分事として捉えて機動的に組織をつくり、スピーディにゴールを実現できると考えたからだ。

「改革をやるからには、一気にやろうと決めました。日本はほぼ完了、現在は中国で改革を進めており、それ以降はその他リージョンなどに展開していく予定です。業務を見直すと最終的にIT戦略も見直さなければなりません。そこで“バイモーダルマネジメント”を実施しようとしています」(表氏)

 これは、攻めのITと守りのITによる「バイモーダルなオペレーションに即した組織とスキルセット」をつくることを意味する。経営インフラは、スケーラブルで筋肉質な体質へ改善を図る。

 つまり、製造や技術R&D、マーケティングといった部分は、企業を強くする攻めのITなので、独自で個別最適化する。一方、人事や経理、調達といった部分は、他社と差別化が利かない部分のため、守りのITとして考えてクラウドサービスを活用し、ベストプラクティスに合わせるということだ。その守りのIT部分で、IBMのBPaaSを導入することにしたという。

「この1年間で中国・大連での稼働にこぎつけました。あと2年間で我々はグローバル企業と戦える体制を構築しようとしています。そうなると、競争優位性の低い汎用プラットフォームは、可能な限りグローバル標準にして、少ない拠点で担うことが重要です。それを支えるBPaaS基盤と、RPAやAIを積極的に活用していく方針です」(表氏)

 同社では、継続的な活動を目指して、データドリブンで経営できる環境を、これからも急ピッチで整備していく構えだという。

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