複数条件を指定してデータを分析する
Excelで来期の営業計画を立てたり、オフィスに導入する機器のリース料金を比較検討したりする際は、関連する複数の条件をいろいろと変更しながら、十分に試算することが重要です。
このような場合に威力を発揮するのが「データテーブル」です。
データテーブルを使用すると、簡単な操作で感度分析(複数の条件が変動した際に結果がどのように変わるのかを分析する手法)を実現できます。
今回は、データテーブルの基本的な操作方法を解説するために、銀行から融資を受けたときの月々の返済額を試算してみます。条件は以下の3つです。
- 返済期間は3、4、5年のいずれか
- 借入金額は1,000万円、1,300万円、1,500万円のいずれか
- 金利は年利2%、月々の返済額は30万円以内に抑えたい
返済期間は3パターン、借入金額も3パターンあるため、合計9パターンの返済計画があります。このうち、月々の返済額を30万円以内に抑えつつ、借入金額を最も大きくするには、どの計画を選択すれば良いでしょうか。
上記をきちんと分析・検討するには、次の図のように、各社の異なる条件を1つずつ入力して、結果を見比べることが必要です。そうしないと最適な選択肢を選定することはできません。
しかし、この方法では1回の計算で1パターンの返済計画しか確認できないので、別の返済計画を確認するには、セルのデータを何度も書き替えなければなりません。
また、各返済計画の違いを比較するには、それぞれの結果を別の箇所にメモしておくことも必要です。これはとても不便ですし、効率的な方法とはいえません。
Excelにはこういった試算を効率良く行える便利な機能が用意されています。
それが「データテーブル」です。
複数の条件下での計算結果を一覧表示する
データテーブルを使用すると、数式に含まれる1つ、または2つの値が変動した際に、その計算結果がどのように変化するかを一覧で確認できます。
今回の例でいえば、2つの変動する値(返済期間・借入金額)によって変わる月々の返済計画全9パターンを1つの表でまとめて確認できます(具体的な設定方法はこのあと解説します)。