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- 2020/02/06 掲載
マイクロソフトのRPA「Power Automate」をわかりやすく解説、脱Excelできるのか?
情報技術で地域課題の解決を図るNPO、NPO法人 まちづくりエージェントSIDE BEACH CITY.理事。横浜市内各所でのITワークショップ・講演などを行う。また、そのほかにもプログラミングや、関連書籍の執筆を行う。著書は、「Android API プログラミング・リファレンス」「よくわかるAndroidアプリ開発の教科書」「Project SienaではじめるWindowsストアアプリ開発入門」など。
Power Automateとは何か
Power Automateとは、マイクロソフトが提供するPower Platformの一つで、複数のWebサービスや社内システムをつなげ、定義したワークフローに従って、連携動作を実現させるWebサービスである。かつてはMicrosoft Flowという名前でサービスが提供されており、2020年2月現在も一部にはMicrosoft Flowまたは単にFlowという呼称が残っているが、「Microsoft Ignite 2019」でRPA機能「UI flows」が追加され、Power Automateとリブランディングされた形だ(マイクロソフトの発表)。
ベースとなったFlowは一般的なWebサービスの中では、IFTTTやZapierなどが近く、特定のWebサービスや、社内での操作、指定した日時になるなど、なんらかのきっかけ(トリガー)を元に、別のWebサービスや社内システムの操作、ユーザーへの通知などの動作(アクション)を行うフローを作成することができる。
アクションはWebサービスごとにコネクタとしてまとめられており、このコネクタから、目的のアクションを選択し、実行することで、さまざまなWebサービスを操作することが可能となっている。
基本的な利用方法
Power Automateは、Office 365のビジネスアカウントを利用するユーザーであれば、プランによっては追加費用なく、すぐに利用が可能だ。Office 365のアプリケーションメニューから「Power Automate」を選べばよい。無料版の利用方法
Power Automateは、Office 365の各ビジネス向けプランに付属するサービスでもあるが、それがなくても無償で試用することが可能だ。Power Automateの無料版は、こちらにアクセスし、画面右上の「無料で試す」を選択して、現在自分が利用可能なメールアドレスを入力して、矢印ボタンを押すだけで招待メールが届き、これに従って操作すれば利用できる。
Office 365付属サービスとの違い
Office 365付属のサービスとの違いは、フローの実行回数と利用可能な項目数にある(2020年2月時点)。
- ・作成できるフローの個数は250個まで
- ・作成できるカスタムコネクタの数は15個まで
- ・接続できるサービスの数は20個まで
その他、チーム内での利用に関するサービスが利用できないため、SharePointとの連携や前述した上長からの承認を得る処理など、一部コネクタの利用が行えない点にも注意したい。
詳細については、マイクロソフトの課金と使用状況の測定に関する質問のページを確認してほしい。
また、利用は個人での利用に限定され、アプリケーションの組織内共有などの機能が利用できないため、あくまで試用用途などに留めておきたい。
Power Automate単体の料金
また、Office 365に付属のPower Automateでも、若干の機能制限がある。Power Automate独自のデータ保存領域であるCommon Data Serviceの利用や、フローの実行間隔、一部コネクタ(Premiumコネクタ)などの利用だ。これらの制限を解除する場合には、別途Power Automateプランの購入が必要となる。 このプランは、2020年2月時点で、次の2つがある。
- ・個人のユーザーに制限解除されたフロー作成の権利を与えるユーザーごとのプラン:1,637円/月
- ・任意のフローの制限を解除する、フローごとのプラン:5万4,555円/月
これらについては今後変更される可能性がある。詳しくは同社サイトを確認すると良いだろう。
【次ページ】Power Automateの具体的な利用方法
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