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- 2020/08/18 掲載
Windows 10とOfficeアプリ、更新プログラムの基礎知識を整理する
Windows 10とOfficeアプリの更新チャネル、最新事情
この連載ではこれまで、Windows 10やOfficeアプリのサービスチャネル(更新チャネル)や更新トラブルについて、繰り返し取り上げてきました。何度も取り上げているのは、Windows 10やOffice 2016がリリースされてからのこの5年で、たびたび名称やサポートポリシーが変更されてきたからです。マイクロソフトは2020年4月、これまで「Office 365」ブランドで提供してきたサブスクリプション製品を「Microsoft 365」に変更し、その翌月からは更新チャネルの名称も変更しています。
製品名や更新チャネルの名称変更は各チャネルのリリースサイクルにしたがって順次行われるため、全体に行き届くにはしばらく時間がかかるでしょう。今は、Windows 10とOfficeアプリの更新チャネルの最新情報を整理するのにちょうど良い機会です。特に、Windows 10やOfficeアプリを管理しているIT担当者の方は、最近の変更について知らないと、いつの間にか変わっている名称に混乱することでしょう。
Windows 10とOfficeアプリのリリースサイクルはどう変わってきたのか
以下に示すように、Windows 10とOfficeアプリの更新チャネルの名称は、5年前はおおむね共通化されていました。その後、Officeアプリ側が独自のものに変更されたあと、「Semi-Annual Channel」(SAC)と「Semi-Annual Channel(Targeted)」(SAC-T)で再び共通化されました。Windows 10バージョン1903におけるWindows 10におけるSAC-Tの廃止によって、再びWindows 10とOfficeアプリの更新チャネルは別々の道を歩くことになります。そして2020年5月からOfficeアプリでは主に4つの更新チャネルに再編成されました(他にもCurrent Channel(Preview)やInsider Channelなどありますが一般ユーザー向けではありません)。
Windows 10はSACに一本化されシンプルになりましたが、逆にOfficeアプリは細分化されました。そこで各チャネルのリリースサイクルやサポートライフサイクルを、Windows 10の「Long Term Servicing Channel」(LTSC)とOffice 2019ボリュームライセンス製品を含めて一覧にまとめました。
こうして一覧にすると複雑かつ難解に見えますが、企業のニーズに合わせて最適なものを選択すれば、たとえば最小限の更新回数でできるだけ長く同じバージョンを運用できるはずです。
たとえば、Microsoft 365 Appsの「Monthly Enterprise Channel」は、毎月1回の更新だけで、最新機能とセキュリティ機能の両方を更新できるチャネルであり、Microsoft 365 Appsが推奨しているものです。安定性と更新機会の削減を重視するなら、小さな規模で「Semi-Annual Enterprise Channel(Preview)」を先行テストし、「Semi-Annual Enterprise Channel」で全社的に運用すればよいでしょう。
【次ページ】分かりにくかったオプションの更新プログラムの名称変更
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