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  • 2020/08/15 掲載

Windows 10 May 2020 Updateへアップデートすべき? 年2回の大型アップデートの仕組み

連載:テレワークを効率化するデジタルガジェット活用術

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マイクロソフトによるとWindows 10の後継OSはしばらく登場せず、大型アップデートによって常に最新OSに保つという。これは2015年のWindows 10の発売以降、年に2回のペースで行われており、トータル9回も提供されている。そして、2020年5月27日にはその最新版である「Windows 10 May 2020 Update(May 2020 Update)」(バージョン2004)がリリースされた。数多くの新機能が追加されているが、現在はWindows Updateで自動適用されないのも特徴的だろう。ここでは何が強化されたのか、更新の仕組みとあわせて紹介しよう。

フリーランスライター 田代 祥吾

フリーランスライター 田代 祥吾

周辺機器メーカーから自作パソコン雑誌編集に転職後、担当雑誌の廃刊をきっかけにフリーランスライターに転向。日経BP社のパソコン雑誌「日経PC21」や「日経パソコン」などで執筆中。週に4日以上も家電量販店や秋葉原に通い、常に新鮮な製品情報や市場情報を持つ。得意ジャンルはパソコンやスマートフォン、自動車、声優、アキバ系サブカルチャー、プロ野球など。


大型アップデートでWindowsが最新版に

 Windows 10は「Windows as a Service」として名称は変わらないものの、大型アップデートによりバージョンが変わり、機能の改良や追加を定期的に行う。この大型アップデートは、マイクロソフトによると3月と9月に提供されるという。過去には「Edge」や「フォト」など標準アプリの機能強化や、「クラウドクリップボード」や「切り取り領域とスケッチ」といったアプリを追加した。「コルタナ」やスマートフォンとの連携機能なども追加された。

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Windowsは年2回の大型アップデートで、機能の改良や追加をしている。最新版は2020年5月に登場したWindows 10 May 2020 Update(バージョン2004)だ
(出典:画面はマイクロソフトのページ)

 また、一部のユーザーインタフェースもそのタイミングで改良している。一番顕著なのが設定画面だ。Windows 10の登場当時は、設定とコントロールパネルを併用していたが、現在は設定にまとめており、今ではコントロールパネルはほとんど使わない。

 大型アップデートごとにサポート期間が定めており、HomeやProの場合はそれぞれリリース日から18ヶ月間としている(致命的な不具合の発生や世界情勢などで一部延長している)。サポートが切れる前にWindows Updateによって自動更新するため、知らない間に大型アップデートを適用していたということは良くある。また、Proは大型アップデートを半期伸ばす機能も持つ。

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過去のWindows 10の大型アップデートとその概要を表で示した。Windows 10は大型アップデートにより、バージョンが変わる



「Windows 10 May 2020 Update」では何が変わったのか?

 では最新の「Windows 10 May 2020 Update」で強化されたポイントは何だったのか。再インストールの仕組みの変更やカーソル設定の追加、仮想デスクトップやメモ帳、電卓の改良など、多くの変更点が見られる。

Windows 10 May 2020 Updateの主な変更点
ジャンル機能概要
システム再インストール機能の改善Windows 10の再インストール時に、必要なシステムデータをクラウドサーバーから取得可能に
システムBluetoothのペアリングの改良新方式の「クイックペアリング」に対応。ペアリング待ちの機器を自動検出し、ポップアップで表示
システムMicrosoftアカウントのサインインの改良Windows Hello(指紋認証や顔認証など)利用時にパスワードの不用化
システム仮想デスクトップの改良仮想デスクトップに名称を付けて判別しやすくなった
システムDirectX 12 Ultimateの追加対応ハードウエアとソフトウエアでフレームレートの改善と描画の向上
アプリ望ましくないアプリケーション(PUA)の検出機能の改善広告表示や勝手に暗号化など、ユーザーが望まない行為をするアプリの検出と無効化
アプリXboxゲームバーの改良サードパーティーのウィジェットの利用や、オーバーレイ表示のカスタマイズを追加
アプリMicrosoft Edgeの改良Chromiumベースに。メモリーの使用量を27%も軽減しパフォーマンスを向上(関連記事
アプリ電卓の改良常に最前面表示を追加
アプリメモ帳の機能拡張検索・置換機能の強化
アプリスマホ同期機能の改良特定に機器(Galaxyシリーズの最新機種など)でパソコンから直接通話できる機能などを追加
アプリCortanaの改良アプリ化(ただし、今日現在日本語版では未対応)
アプリ音声読み出し機能の改良ナレーターの変更と応答性の向上
アプリ一部標準アプリのアンインストールが可能にペイントやメモ帳といったアプリをアンインストールできるようになった
入力マウスカーソルの設定画面の変更詳細を開かなくても速度設定ができるようになった
入力絵文字の追加「Windows」キー+「.」キーを押して入力できる絵文字の種類の増加
入力テキストカーソルの機能追加色や大きさなどカスタマイズが可能に
入力アイトラッキング操作の追加対応ハードでドラッグアンドドロップなどが可能に
入力日本語IMEの更新と追加インターフェースや設定画面の更新

 一番大きな変更はクラウドを使った再インストールの仕組みだろう。Windows 10の再インストールは従来、リカバリー領域かインストールメディアが必要だったが、Windows 10 May 2020 Updateでは、それらが無くてもクラウドサーバから必要なデータをダウンロードできる。「設定」の「更新とセキュリティ」の「回復」から、「このPCを初期状態に戻す」の「開始する」を選ぶ際に、「クラウドからダウンロード」を選べるという具合だ。

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Windows 10 May 2020 Updateでは、再インストールの仕組みが変わった。クラウドから必要なデータを落とすことができ、リカバリー領域やインストールメディアが不要になった

 また、「設定」の「簡単操作」にある「テキストカーソル」画面には「テキストカーソルインジゲーター」という項目が追加された。テキストカーソルの色や太さを好みに変更できる。高解像度のデスクトップ画面でカーソルを見失いやすいときに使いたい機能だ。

 マウスの設定画面も大きく変更された。従来のWindowsでマウスカーソルの速度を変更するには、マウスの設定画面にある「その他のマウスオプション」を開き、コントロールパネルにある設定を開き変更する手間がかかる仕組みだったが、Windows 10 May 2020 Updateからは、マウスの設定画面から直接、変更できる。

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Windows 10 May 2020 Updateで「テキストカーソルインジゲーター」という機能が追加され、テキストカーソルの色や太さを変更できる

 
 細かなところでは、仮想デスクトップ機能で、タスクビューで各仮想デスクトップに名前を付けられるようになった。また、日本語IMEはインターフェースを見直し、一部メニューがわかりやすくなった。また、ゲームやマルチメディア向けのグラフィックスAPI、DirectXの最新版であるDirectX 12 Ultimateに対応しており、対応ハードウエアとソフトウエアの組み合わせでより精密なグラフィックス描画が可能だ。そのほか、ペイントやメモ帳といった標準アプリを、スタートメニューからアンインストールできるようになっている。

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仮想デスクトップはタスクビューで名前を追加できるようになった

【次ページ】大型アップデート適用前に確認とバックアップ

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