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  • 2019/03/14

Officeの更新プログラムでクラッシュが頻発、もしも突然Officeが使えなくなったら…?

連載:山市良のマイクロソフトEYE 第13回

最近、Windows版のMicrosoft Officeアプリケーションが、更新プログラムのインストール後に正常に動作しなくなったという事例が目立つようになりました。Microsoft Officeは、生産性アプリケーションに分類されますが、突然、利用できなくなると、仕事の生産性は大きく低下します。

フリーライター 山市 良

フリーライター 山市 良

IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など

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Microsoft Officeの更新プログラムが原因で、ExcelやAccessの機能不全がたびたび起こっている
(©alphaspirit - Fotolia)

最近の傾向は新元号対応のための修正のトライアル&エラー?

連載一覧
 Microsoft Officeの更新プログラムに起因するMicrosoft Officeアプリケーションの機能不全が、最近特に目立ちます。

 2018年11月にはOffice 2010の更新プログラムのインストール後に、ExcelやAccessがクラッシュするという問題が報告され、数日後に問題の更新プログラムが取り下げられました。2019年1月3日(日本時間)にリリースされたOffice 2010およびExcel 2010向けの4つの更新プログラムではExcelが起動しなくなるなどの問題が報告され、これら更新プログラムも数日後に取り下げられました。その翌週にリリースされたOffice 2010向けのセキュリティ更新プログラムでは、ExcelやAccessが動作を停止する場合があることが報告され、さらに翌週に、その問題の修正を含む更新プログラムがリリースされました。

 これらの問題はいずれも、Windowsインストーラー版(MSI版)のOffice 2010で発生したものであり、Windows Updateでインストールされた問題の更新プログラムをアンインストールすることで比較的簡単に問題を解消できました。

 Office 2013以降に主流となったクイック実行版(Click-To-Go、C2R版)の更新は、Windows Updateの更新プログラムとしてではなく、Office 2013以降に組み込まれた自動更新機能によって、更新バージョンへの入れ替えという形で行われます。そのため、もしOffice 2013以降のC2R版で更新を起因とする機能不全が発生した場合は、詳細なバージョン指定を含む複雑なコマンドラインを実行する必要があるため、一般ユーザーには対応が難しいでしょう。

 先ほど例に挙げた問題の更新プログラムは、前回のテーマとして取り上げた新元号対応のための専用の修正プログラムと、新元号対応の修正を含む更新プログラムでした。

 特に、Excelの更新プログラムをインストールするとExcelが起動しなくなるなど、誰が想像するでしょうか。筆者には、修正プログラムを十分なテストを経ずに(更新対象のアプリケーションを起動してみることもせずに!)、現場でトライアルアンドエラーを繰り返しているようにしか見えません。

Windows向け更新プログラムでレガシなAccess DBが使用不能に

 2019年1月にWindows向けに提供された累積更新プログラムでは、すべてのWindowsバージョンにおいて、Accessデータベースに影響する問題が含まれていました。影響を受けたのは、古いAccess 97形式のデータベース(.mdb)で、データベースの列名が32文字より長い場合に“データベースの形式 '<データベースファイル(.mdb)のパス>' を認識できません”というエラーが発生するという問題です(画面1)。

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画面1:2019年1月のWindows向け累積更新プログラムでは、Windowsのすべてのバージョンにおいて、Access 97形式のデータベースに影響する問題が発生

 1月のWindows向けの累積更新プログラムの中には、Microsoft JETデータベースエンジンのセキュリティ更新が含まれていました。これが直接的な原因となって、古いAccess 97形式のデータベースに影響したようです。

 Access 97形式のデータベースを読み取れるのはAccess 2010が最後で、Access 2013以降はそもそもこの形式を認識しません。また、Access 97形式のデータベースとしての出力に対応しているのは、Access 2003が最後です。

 筆者がインストールメディアを持つ最も古いMicrosoft Officeバージョンは2000だったので、2018年12月までの更新状態のWindows 10にAccess 2000を新規インストールして環境を用意し、この問題の影響を受けそうな列名を持つAccess 97形式のデータベースを作成しました(画面2)。

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画面2:2018年12月まで更新されたWindows 10(OSビルド17763.194)にAccess 2000を新規インストールして、半角で32文字前後の列名を持つデータベースを作成し、Access 97形式で保存した

 そして、2019年1月のWindows 10の累積更新プログラムのインストールの前後で挙動を調べてみました。その結果、半角英数字で33文字の列名を持つAccess 97形式データベースは開けなくなりました。一方、日本語を含む全角文字が例名の長さには影響しませんでした(画面3)。

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画面3:2019年1月の累積更新プログラムのインストール後(OSビルド17763.253)、半角英字33文字の列名を持つデータベースを認識できなくなった。全角文字だけの列名のデータベースには影響しなかった。半角/全角の区別はなく単純に文字数で影響を受ける問題

 Accessの仕様では、列名は半角64文字(全角32文字)まで許容されますが、1月の累積更新プログラムの影響でデータベース形式として認識できなくなるのは全角/半角には関係なく単純に文字数のようです。全角文字で32文字はAccessの仕様上の最大値であり、影響しなかったのです。

 同じAccess 97形式のデータベースをAccess 2010の環境でも試してみました。すると、Access 2000では開けていたデータベース(たとえば半角31文字や全角31文字の列名を持つデータベース)であっても開くことができませんでした(画面4)。

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画面4:Access 2010では、Access 2000で開けていたAccess 97形式のデータベースの多くが別のエラーで開けなくなった。この現象についての詳細は不明

 Access 97形式のデータベースがすべて開けなくなったわけではありません。開けるデータベースもあります。マイクロソフトが認識しているかどうか不明ですが、公開された情報以外の影響があるように見えます。

【次ページ】回避方法はあるのか? レガシーなAccessアプリは改修が困難なことも

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