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- 2021/06/28 掲載
グーグルvsアマゾンの競争激化、検索広告やEコマースなどお互いの「牙城」に攻め入る
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グーグルとアマゾンの競争激化
検索広告といえばグーグル、Eコマースといえばアマゾンなど、従来、テックジャイアント各社の事業領域は棲み分けができており、お互いが直接的に競合することはなかった印象がある。しかし、各社は事業領域の拡大に多大な投資を行っており、GAFA間の競争は激化の様相を見せている。その中でも現在、顕著になっているのがグーグルとアマゾンの競争だ。
グーグルがEコマース市場への攻勢を強めている一方で、アマゾンはグーグルの牙城である検索広告市場のシェア拡大に乗り出している。
Eコマース領域での攻勢強めるグーグル
まずEコマース領域におけるグーグルの最新動向をまとめてみたい。グーグルは2021年5月、カナダの企業「Shopify(ショッピファイ)」との連携強化を発表。この連携強化では、Shopifyの販売ページがグーグル検索、グーグルマップ、グーグル画像検索、グーグルレンズ、YouTubeなどで表示されるようになるという。
Shopifyはカナダ・オタワ発のEコマースプラットフォーム企業だ。カナダの上場企業では時価総額が最大となる。2021年5月時点で、同プラットフォームで販売を行うリテール企業の数は世界175カ国・170万社以上。グーグルとの連携強化がEコマース市場に与える影響は小さくないと思われる。
今回の連携強化で実施される施策によって、消費者の購買プロセスは大きく変わる可能性があり、アマゾンのEコマース事業にも影響が及ぶことが考えられる。
たとえば、これまで消費者の購買プロセスの1つとして、YouTubeで商品レビューを視聴、その動画の概要欄にあるアマゾンリンクをクリックし、アマゾンの販売ページで購買を済ませるというパターンがある。
今回のグーグルとShopifyの連携強化で、YouTubeにShopifyで直接購入できるページが表示されるようになると、アマゾンのページに移ることなく、商品を購入できるようになるのだ。グーグル検索でも、Shopifyのページが表示されやすくなり、アマゾンではなくShopifyで購入するというケースが増えることになる。
これに先立ち2020年4月、グーグルは「グーグルショッピング」のリスティング広告に無料枠を設けたり、同年7月にグーグル検索ページ内で購入を済ませられる機能「Buy On Google」でのコミッション費用を無料化するなど、オンラインショップの数を増やす取り組みを行っている。
グーグルのブログ(2021年5月18日)によると、こうした取り組みによって、グーグル検索できる商品のカタログ数は70%増、参加するリテールショップ数は80%増加した。
このほか、グーグルフォトに保存された写真に写っているプロダクトをグーグルレンズが分析し、同様の商品の検索をサジェストできるようにもなるとのことだ。
【次ページ】検索広告市場で急拡大するアマゾン
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