- 2023/02/10 掲載
円乱高下、金利は上昇=「植田日銀総裁」の政策見極めへ―金融市場
10日の東京金融市場は、政府が日銀の黒田東彦総裁の後任に経済学者の植田和男・元日銀審議委員を起用するとの報道にいったん円高・金利上昇で反応した。ただ、植田氏の政策運営方針を見極めようとするムードが強まると、円相場は下落に転じるなど荒っぽい値動きとなった。
植田氏起用との報道が相次いだのは、株式市場の取引が終了した後の10日午後4時台。報道をきっかけに円相場は1ドル=131円50銭台から午後5時すぎに一時129円80銭前後まで急伸した。その後は円安方向に振れた。長期金利の指標となる新発10年物国債は売られ、長期金利は0.495%から日銀が上限として容認している0.5%に上昇し、1月18日以来、約3週間ぶりの水準となった。
外国為替市場では「日銀の雨宮正佳副総裁が次期総裁として黒田氏の大規模緩和路線を継続するとの見方が後退し、円が買われた」(大手銀行)との声が聞かれた。ただ「植田氏の政策方針を見極めたい」(同)との見方から相場の方向感は定まっていないという。
債券市場では「誰が総裁になっても、長短金利操作を含む大規模緩和策を続けるのは難しく、政策を修正せざるを得ない」(大手証券)との見方が多い。
【時事通信社】
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