• 2023/02/11 掲載

NY市場サマリー(10日)ドル・利回り上昇、ナスダック続落

ロイター

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[10日 ロイター] -

<為替> ドルが上昇した。来年も物価上昇が続くとの観測が指標で示される中、市場では来週発表の米消費者物価指数(CPI)が予想を上振れするとの見方が出ている。

円は全面高。日本政府が日銀新総裁に経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を起用する方針を固めたと伝わったことで、円に買いが入った。その後、植田氏が現在の金融政策運営について「適切であると考えている」と述べたことを受け、上げ幅を縮小した。

ドルは対円で一時129.8円と、1週間ぶり安値を更新。終盤の取引では131.435円。

ユーロと英ポンドは共に対円で1%を超えて下落。終盤の取引でユーロは約0.7%安の140.34円、ポンドは0.5%安の158.60円。

マネックスUSA(ワシントン)のトレーディング・ディレクター、フアン・ペレス氏は「日銀が大きくタカ派化するかは、全く分からない」としている。

主要6通貨に対するドル指数は終盤の取引で0.4%高の103.55。米経済指標が引き続き好調だったことを反映し、ドル指数は2週連続で上昇。2週連続での上昇は昨年10月以来初めてとなる。

この日発表の米経済指標では、ミシガン大学の2月の消費者信頼感指数(速報値)が66.4と前月の64.9から上昇し、2022年1月以来13カ月ぶりの高水準を付けたほか、1年先の期待インフレ率は4.2%と1月の3.9%から上昇した。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、ミシガン大学のインフレ見通しをFRBが追跡する指標の一つとして挙げている。

このほか、労働省発表のCPI年次基準改定によると、2022年12月のCPIは前月比0.1%上昇と、当初発表の0.1%下落から上方改定された。

市場では14日に発表される1月のCPIが注目されている。

英ポンドは0.5%安の1.2056ドル。英国立統計局(ONS)発表の2022年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.0%でロイターがまとめた市場予想と一致した。

ユーロは0.6%安の1.0679ドル。週間ベースでは2週連続の下落となる見通し。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 利回りが上昇した。投資家は引き続き、3日に発表された好調な1月米雇用統計を消化し、来週の1月米消費者物価指数(CPI)や1月小売売上高待ちの姿勢を見せている。

CPIは14日に発表される予定。投資家は米連邦準備理事会(FRB)の金利決定を左右する可能性があるとして、予想より強い数字になることを警戒している。

この日発表された米ミシガン大学の2月の消費者信頼感指数(速報値)は2022年1月以来13カ月ぶりの高水準に改善したものの、インフレ期待が依然根強いことを示したため、利回りは上昇を続けた。

10年債利回りは終盤に3.749%となり、1月6日以来の高水準を付けた。ただ、10月21日に付けた15年ぶり高水準の4.338%からは大きく低下している。

2年債利回りは4.525%と、11月30日以来の高水準となった。

国内の経済指標に加え、ロシアのノバク副首相が3月に石油生産を日量50万バレル削減すると述べ、インフレ懸念が強まったことも、利回り上昇要因となった。

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.50%。雇用統計前の2.33%、1月18日の2.13%から上昇している。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> ナスダック総合が続落。米債利回りが上昇し、金利上昇を示唆したことが大型グロース株を圧迫した。低調な利益見通しが嫌気され、配車大手リフトが急落したことも重しとなった。

一方、ダウ工業株30種とS&P総合500種は反発。ロシアの減産計画を受けて原油相場が上昇し、エネルギー株が買われたことが追い風となった。

米指標10年債利回りは10日の取引で一時約1カ月ぶりの高水準を付けた。

CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストボール氏は、投資家の間では経済指標が反映していない情報を債券市場が示しているのではないかという見方が出たと指摘。「米債利回りの上昇は高成長を遂げるハイテク企業に一段の悪影響を与えるだろう」と述べた。

週足ではナスダックが2.41%安と、年初来初の下げを記録。S&Pは1.11%安、ダウも0.17%安。今週は米連邦準備理事会(FRB)当局者によるタカ派的な発言が相次いだほか、企業決算も材料視された。

リフィニティブによると、S&P500構成企業の半数以上が四半期決算発表を終え、このうち69%の業績が予想を上回った。

ラッセル1000グロース指数は0.33%下落した。

リフトは36.44%急落。9日示した第1・四半期売上高見通しは市場予想を下回った。主要市場の一部を見舞っている厳しい寒さや値下げが圧迫要因になると説明した。

競合のウーバー・テクノロジーズも4.43%安となった。

S&P500の主要11セクターの大半が上昇し、エネルギーは3.92%高。一方、一般消費財は1.22%下落した。

米ミシガン大学が10日発表した2月の消費者信頼感指数(速報値)は66.4に上昇し、2022年1月以来の高水準を付けた。しかし、1年先の期待インフレ率は上昇した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.03対1の比率で上回った。ナスダックでも1.35対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は104億3000万株。直近20営業日の平均は118億5000万株。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 上昇した。市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策 の方向に影響を与えうる、来週の米インフレ指標待ちだった。金現物は米東部時間午後2時34分(1934GMT)時点で、0.2%高の1オンス =1864.10ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月きりは続落 し、清算値(終値に相当)は4.0ドル(0.2%)安の1874.5ドル。 投資家は14日発表の米消費者物価指数(CPI)を待っている。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ロシアが3月に減産に踏み切るとの報が押し上げ要因となり、反発した。米国産 標準油種WTIの中心限月3月物は前日清算値(終値に相当)比1.66ドル(2.13 %)高の1バレル=79.72ドル。週間では8.63%上昇した。4月物は1.65ド ル高の79.92ドル。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 131.41/131.44

始値 130.83

高値 131.59

安値 130.59

ユーロ/ドル NY終値 1.0675/1.0679

始値 1.0697

高値 1.0706

安値 1.0667

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 96*13.00 3.8275%

前営業日終値 97*21.63 3.7550%

10年債(指標銘柄) 17時05分 97*31.50 3.7435%

前営業日終値 98*15.50 3.6830%

5年債(指標銘柄) 17時05分 98*02.50 3.9297%

前営業日終値 98*09.25 3.8810%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*08.13 4.5255%

前営業日終値 99*09.00 4.5090%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33869.27 +169.39 +0.50

前営業日終値 33699.88

ナスダック総合 11718.12 -71.46 -0.61

前営業日終値 11789.58

S&P総合500種 4090.46 +8.96 +0.22

前営業日終値 4081.50

COMEX金 4月限 1874.5 ‐4.0

前営業日終値 1878.5

COMEX銀 3月限 2207.5 ‐6.8

前営業日終値 2214.3

北海ブレント 4月限 86.39 +1.89

前営業日終値 84.50

米WTI先物 3月限 79.72 +1.66

前営業日終値 78.06

CRB商品指数 272.6711 +2.1886

前営業日終値 270.4825

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