- 2023/06/01 掲載
面接解禁、対面が増加=内定7割との調査も―24年春卒就活
2024年春卒業予定の大学生らの就職活動を巡り、政府が面接などの採用選考活動の解禁日と定めた1日を迎えた。今年は新型コロナの感染症法上の位置付けが「5類」に引き下げられ、1次面接から対面で行う企業が増加している。ただ、経済活動の再開による人手不足の深刻化により人材獲得競争が激化。すでに内定や内々定を得た学生は、7割超に上るとの調査もある。
東京電力グループは同日から昨年同様、対面とオンラインの併用で面接を実施するが、「今年は対面が主体」(広報)という。第一生命保険も併用で、面接会場に飛沫(ひまつ)防止のパーティションは設置しない。昨年は長距離移動が必要となる学生にオンラインを推奨するケースもあったが、今年は取りやめた。
一方、伊藤忠商事は最終面接は対面だが、1次はオンラインのみで実施する。「面接官の人数に限りがある中、多くの学生に会うには効果的だ。地方の学生にもチャンスになる」(採用担当者)と利点を強調。同日は、男女共同参画や若者活躍などを所管する小倉将信担当相がオンライン面接の現場を視察した。
全日本空輸も同様の対応で、同日から総合職のオンライン面接を開始。4年ぶりに客室乗務員の採用を再開するため、新卒採用数は23年卒の91人から約7倍に増える見込みという。
リクルートの就職みらい研究所の調査によると、5月15日時点で内定などを得た学生は72.1%。前年の同じ時期に比べ6.7ポイント高い。学生優位の「売り手市場」が続く中、解禁日前から事実上の選考活動を進める企業も多く、「解禁日を守っていては優秀な学生が確保できない」(大手メーカー)との声が上がる。就活ルールの形骸化は一段と進んでいる。
【時事通信社】 〔写真説明〕第一生命保険の面接受付=1日午前、東京都千代田区 〔写真説明〕伊藤忠商事で新卒採用のオンライン面接を視察する小倉将信担当相(中央)=1日午前、東京都港区
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR