- 2023/07/31 掲載
ユーロ圏インフレ率、7月前年比+5.3%に鈍化 コアも減速
[フランクフルト 31日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が31日発表した7月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年同月比5.3%上昇と、6月の5.5%上昇から伸びが鈍化した。
エネルギーと未加工食品を除くコアインフレ率も6.6%と、6月の6.8%から鈍化。
欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%を依然大幅に上回っているものの、緩やかながらインフレの鈍化基調が鮮明になっており、少なくとも次回理事会での利上げ見送りが可能と主張できる可能性がある。
ピクテ・ウェルス・マネジメントのマクロ経済調査責任者フレデリック・ドゥクロゼット氏は、今回の統計はディスインフレ基調を確認するものだと述べた。
欧州中央銀行(ECB)は先週、9会合連続で利上げしたが、ラガルド総裁はインフレ圧力緩和の一時的兆しが見えるとともにリセッション懸念が高まっているとして、9月は据え置く可能性を示唆した。
ただ、食品価格が前年比9.2%と大きく上昇。サービス価格も前年比5.6%上昇と、6月の5.4%上昇から伸びが加速した。名目賃金の上昇や新型コロナウイルス後の旅行・娯楽需要を反映している可能性が高い。
ナティクシスのエコノミスト、ディルク・シューマッハー氏は「サービス・インフレは内需を反映するため、金融政策が最大に影響する分野だ」とし、ECBは9月に、据え置きで合意しても10月は情勢次第になるとくぎを刺す可能性があると指摘した。
この日発表された第2・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増と、プラス成長を回復しており、タカ派の主張材料になり得る。
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