- 2023/08/01 掲載
NY外為市場=ドル指数小幅高、雇用統計に注目
[ニューヨーク/ロンドン 31日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドル指数がおおむね横ばいで推移した後、終盤の取引で小幅高となった。米連邦準備理事会(FRB)の四半期調査で米国の銀行が第2・四半期に融資基準を厳格化させると同時に、融資需要が低迷したことが分かり、金利上昇が経済に影響を及ぼしていることが示唆された。
FRBの上級銀行貸出担当者調査(SLOOS)によると、米銀は第2・四半期に融資基準を引き締めたほか、企業および消費者からの融資需要が減退した。FRBによる利上げで意図した通りに融資が抑制されていることを示されたほか、年内にさらなる引き締めが予想されることも分かった。
バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「高金利環境下では当然、貸し出し基準が厳格化され、(融資)需要が軟化すると予想される」としている。
主要6通貨に対するドル指数はおおむね横ばいで推移していたが、終盤の取引で0.28%高となった。
チャンドラー氏は、8月4日に発表される米雇用統計は力強いものになる可能性があると指摘。今回の雇用統計は9月19─20日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)の決定を左右する可能性のある経済指標の中で最初のものとなる。
8月24─26日には、ワイオミング州ジャクソンホールで経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催される。コンベラ(ワシントン)のシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「経済指標で引き続き米経済の強靭さが示されるか見極める必要があるが、示されればドル相場は少なくともジャクソンホール会議まで無難に推移するだろう」と述べた。
終盤の取引でドル/円は0.78%高の142.250円。日銀は27―28日に開いた金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の運用柔軟化を決定。この影響を見極めようと、28日の取引で円は急落した。
ユーロ/ドルは0.2%安の1.0993ドル。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した第2・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増と、プラス成長を回復し、ユーロは一時上昇していた。
英ポンドは0.13%安の1.2833ドル。イングランド銀行(英中央銀行)が8月3日に開く金融政策委員会で予想される利上げの幅については、0.25%ポイントと0.50%ポイントと、予想が割れている。
豪ドルは1.05%高の0.6717米ドル。オフショア人民元は0.08%安の1米ドル=7.1433元。
ドル/円 NY終値 142.28/142.31
始値 142.23
高値 142.67
安値 142.01
ユーロ/ドル NY終値 1.0993/1.0997
始値 1.1034
高値 1.1045
安値 1.0994
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