- 2023/10/13 掲載
物価が1年後「上がる」は86.8%に増加、値上げ継続で=日銀調査
Takahiko Wada
[東京 13日 ロイター] - 日銀が13日発表した「生活意識に関するアンケート調査」(第95回<2023年9月調査>)によると、1年後の物価が「上がる」と予想する回答者の割合は86.8%となり、前回6月調査の86.3%から増加した。企業の価格転嫁が続く中で、物価上昇を予想する人の割合が増えている。
1年後の物価予想では平均値が10.7%上昇、中央値が10.0%上昇。平均値は6月の10.5%上昇を上回った。
5年後に「上がる」との予想も6月調査の79.0%から80.7%に増加した。80.7%は2022年3月調査以来の高い水準。毎年の変化率予想は平均値が8.0%上昇、中央値が5.0%上昇だった。
5年後に物価が上がると考える理由を聞いたところ、「最近物価が上がっているから」が79.3%でトップ。次いで「中長期的に物価は上がるものだから」が30.7%となったが、回答比率は前回の35.1%を下回った。
日銀は2%の物価安定目標の実現には家計や企業のインフレ期待の高まりが重要と位置付けており、同アンケートは家計のインフレ期待の動向を把握する指標のひとつとなっている。調査期間は8月4日から9月1日。
<1年前対比の収入増、12%止まり>
このほか、物価高を主因に現在の暮らし向きDIはマイナス54.3となり、リーマンショックで景気が厳しい状態にあった09年12月以来の低水準となった。
現在の収入が1年前と比べて「増えた」との回答は12.7%。前回の11.4%を上回り、19年12月以来の高水準となった。ただ、今年の春闘で30年ぶりの高い賃上げ率が実現したにもかかわらず、回答の増加は小幅にとどまった。日銀の担当者は、回答者の4割強を60歳以上が占めていることが影響した可能性があるとしている。
1年後を見据え、勤め先での雇用・処遇の不安については「かなり感じる」との回答が30.7%となり、前回の29.7%を上回った。
(和田崇彦)
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