- 2023/10/13 掲載
トヨタの納期「見える化」システム、年内に国内全店・全車種で展開
[東京 13日 ロイター] - トヨタ自動車は13日、すでに国内の一部店舗と一部の車種で導入している新車の納期を「見える化」する販売物流統合管理システムについて、年内に国内の全販売店・全車種で展開する方針を明らかにした。正確な納期を伝えて顧客満足度を高めることで販売機会の損失を防ぐほか、実際の需要に基づいた生産効率の向上も図る。
同社は今年1月から販売物流統合管理システム「J─SLIM(Japan Sales Logistics Integrated Management、ジェイ・スリム)」を主力ハイブリッド車「プリウス」から導入を始めている。受注から生産計画、実際の生産状況、輸送、納車までの情報を統括して管理するシステムで、販売店が発注を入力すると、その車両がいつ工場を出荷し、販売店に到着するかが詳しく可視化される。
これまでは販売店には納期を3カ月先までしか示せていなかったが、同システムでは最長2年先まで示すことができる。
国内販売事業本部の友山茂樹本部長は同日の説明会で、同システムにより「生産と販売がいかにつながっていなかったかが分かった」と述べた。これまでは販売予測によって生産計画を決めていたが、同システムでは実際の需要を精度高く生産に反映することができる。
友山氏によると、生産能力以上の受注が入るモデルでは納期短縮は難しいが、同システム導入により、平均的な納期がトヨタブランドで昨年末の6カ月から現在は4.7カ月に、高級車のレクサスブランドで5.5カ月から3.5カ月に短縮されているという。
また、同システムでは生産から納車までの間に滞留している車なども「見える化」もできるようになっており、「滞留の『見える化』は今年の中盤から全車種でできるようになっている」と語った。
自動車メーカー各社では、コロナ禍における物流混乱や半導体不足に伴う生産制約によって受注残が積み上がり、納車が長期に及ぶという問題が起きていた。トヨタによると、トヨタブランドでは今年1月時点で国内で93万台以上あった受注残は約75万台まで減っているという。
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