- 2023/10/14 掲載
米利上げ終了か、物価圧力減退で=フィラデルフィア連銀総裁
Michael S. Derby
[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は13日、物価上昇圧力が弱まりつつある中、連邦準備理事会(FRB)は利上げを終了する可能性が高いとの考えを示した。
講演原稿で「データを見たり、関係者から聞いたりした内容が大きく変化しない限り、金利を現水準で維持できる段階に来ていると確信している」と指摘。「利上げの影響が完全に現れるにはまだ時間がかかるだろう。金利を据え置くことで金融政策がその役割を果たすことになる」とした上で、金融政策が現在制約的であるため「インフレを着実に抑制し、市場のバランスが改善する」とした。
「何もしなくても、何かをしていることになる」とし、「われわれは非常に多くのことを行っている」とした。
ハーカー総裁は、FRBの金融政策に対する長期的な見通しを支持する一方で、金利がいつまで上昇し続ける必要があるのか不透明と言及した。
公式発言後には、金利上昇が住宅などの経済セクターに波及することで借入コストのさらなる上昇に反対するもう一つの論拠が得られた主張。FRBの政策に関連した高水準の住宅ローン金利が住宅購入を妨げているとし、このようなことが「現水準以上の利上げに慎重な理由だ」とした。
また、一連のリスクを指摘しながらも経済については明るい見通しを示し、「ディスインフレが進行している。経済活動は底堅い。労働市場はバランスが取れてきている」と語った。
「着実なディスインフレ」が進行し、物価上昇圧力は年内に3%を下回り、その後は2%になると予想。また今年は引き続き成長するものの、来年は成長ペースが鈍化するとし、「国内総生産(GDP)成長率が緩やかになることは見込まれるものの、縮小することはなく、リセッション(景気後退)は想定していない」とした。
このほか、ストライキや学生ローンの返済再開が景気の重しになり得るとしたほか、失業率は4%程度に上昇するが、大量なレイオフはないと見込んだ。
質疑応答中には、消費者信用に何らかの問題が生じ始めていると指摘。「一部でデフォルト率の上昇」が始まっており、「現時点ではそれほど大きな懸念ではない」が、監視する必要があるとした。
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