- 2025/05/01 掲載
大株主と一線画す取締役に=米ファンド側候補の菊岡氏―フジ親会社
フジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(HD)取締役候補として大株主の米投資ファンドが提案した元ジャパンディスプレイ(JDI)社長の菊岡稔氏が、1日までに時事通信のインタビューに応じた。菊岡氏は、不動産事業の切り離しなどを求める米ファンドの改革案に賛同しながらも、フジHD取締役に選任されれば「自分の考えと信念に基づいて独立して行動する」と強調した。
フジHDと大株主の米ダルトン・インベストメンツは6月の株主総会に向け、それぞれ10人超の取締役候補を提案し、対立していた。しかし、フジHDが4月末、ダルトンに留任を批判されていた金光修社長ら4人の退任を決めたことで、一本化に向けた協議の加速が見込まれている。
菊岡氏は、フジHDの候補4人の退任決定について「当初の段階で行うのがベストだったが、一定の評価には値する」と歓迎した。今後、両者の協議の中で相互理解が進むことにも期待を示した。フジHDが新体制の下で「うみを出し切り、成長路線を回復することを望む」と語った。
発端となった元タレント中居正広氏の性加害問題に関しては、コンプライアンス(法令順守)担当部署への報告がなかったことを問題視。「ガバナンス(企業統治)が利かず、内部統制にも問題があった」と指摘した。
菊岡氏は「『ここまでやるのか』と言われるぐらいの覚悟でやらないと信頼は回復できない」と述べ、ガバナンス強化に向けて指名委員会等設置会社への移行を年度内に行うべきだとの考えも示した。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える元ジャパンディスプレイ社長の菊岡稔氏=4月28日、東京・銀座
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