• 2025/05/02 掲載

米関税の影響経路を整理、アジアの高関税に警戒=日銀展望リポート

ロイター

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Takahiko Wada

[東京 2日 ロイター] - 日銀は2日、1日に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の全文を公表し、その中で米国の高関税政策が日本の経済や物価にどういう経路で影響をもたらすのか整理した。特に、高い関税率となっているアジア各国に対し米相互関税の上乗せ部分が発動された場合、日本とサプライチェーンの結びつきが強い東アジア地域の貿易活動に悪影響が及ぶことに警戒感を示した。

経済への影響については、不確実性が急激に高まったことで世界的に設備投資需要が停滞し、日本の資本財輸出にマイナスの影響をもたらすとともに、国内需要にも耐久財消費や設備投資の先送りによる下押し圧力が加わると指摘。また、米国の関税引き上げが日本の輸出品の米国産品に対する価格競争力を悪化させると言及。日本企業が現地での販売価格を変えずに採算悪化で吸収する場合にはその企業の収益を直接的に下押しする一方、現地価格に関税の影響を転嫁する場合、他国の製品にシェアを奪われれば日本からの輸出数量が減少するとした。

さらに、関税政策による世界経済の減速や貿易活動の縮小が日本からの輸出数量の減少を招くと指摘した。特に、一律の相互関税に加えて、半導体などの分野別関税や、高い関税率となっているアジア各国への相互関税上乗せ部分が今後発動されれば、日本と密接な関係にある東アジア地域の貿易活動やITサイクルへの悪影響を通じて「わが国の輸出が下押しされるリスクにも注意する必要がある」とした。関税引き上げや世界的な貿易縮小により、海外現地法人の収益も下押しされる可能性が高いとも説明した。

物価面への影響については、関税政策で「為替相場が大きく変動すれば、輸入物価を通じた影響を受ける」と指摘。また、輸出や設備投資などの需要減退は物価の下押し効果を持つとした。一方で、サプライチェーンに混乱が生じれば輸入物価の上昇を通じて物価を押し上げる可能性もあるとの見解も示した。

日銀は今回の展望リポートで、米関税政策の影響を織り込み、成長率や物価の見通しを引き下げた。

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