- 2025/05/19 掲載
ユーロ圏成長予想、貿易戦争受け欧州委が引き下げ 25年0.9%
25年の域内総生産(GDP)成長率は0.9%と、昨年11月時点の1.3%から引き下げられた。26年も1.6%から1.4%へ下方修正された。
欧州委は「経済成長の見通しは大幅に下方修正された。これは主に世界全体の貿易の見通しの悪化と、貿易政策を巡る不確実性の高まりが原因だ」と指摘した。
今回の成長見通しは、米国がEUからの輸入品に対し10%、鉄鋼・アルミニウム・自動車には25%の関税を継続し、医薬品と半導体には関税を課さないという現在の状況が維持されることを前提としていると説明した。
「見通しに対するリスクは下向きだ。世界貿易のさらなる分断はGDP成長を鈍化させ、インフレ圧力を再び強める可能性がある。また、気候変動に関連する災害もより頻繁に発生しており、経済成長にとって引き続き下振れリスクとなっている」との見方を示した。。
しかし、EUと米国の貿易摩擦が緩和する、欧州と他の国々との貿易が急拡大する、あるいはEU域内で防衛関連の支出が増加する場合には、経済成長が上向く可能性もある。
欧州委はユーロ圏の失業率が引き続き低下し、26年に6.1%になると予想した。消費者物価の上昇率は、昨年の2.4%から今年は2.1%へ、26年には1.7%へと鈍化するとの見通しを示した。
ユーロ圏の財政状況はやや悪化する見込みで、財政赤字の対GDP比は24年の3.1%から25年は3.2%へわずかに上昇し、26年には3.3%に達すると予測した。
ユーロ圏の公的債務の対GDP比は、24年の88.9%から25年末には89.9%へ、さらに26年には91%まで上昇する可能性が高いとした。
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