- 2025/11/21 掲載
KDDIとNEC、サイバーセキュリティ分野の強化に向けた合弁会社設立
United Cyber Force株式会社設立で、官公庁・企業向けの高度なサイバーセキュリティソリューションを展開
ビジネス+IT
事業内容については、日本政府が進める安全保障関連政策のうち、特に能動的サイバー防御(Active Cyber Defense:ACD)領域とグローバル市場を対象としたサイバーセキュリティ事業の企画および営業活動を担うとされる。UCFは政府機関や法人企業向けにグローバルなサイバーセキュリティソリューションを企画・提案し、国内外のサイバーセキュリティ市場で最先端の防衛力とサービスを提供することを目指すと明記されている。
KDDIとNECは、近年、国内外でサイバー攻撃による被害が拡大し、日本企業もグローバルなサプライチェーンを含めてリスクに直面している状況を背景として挙げている。ランサムウェアをはじめとした高度化する攻撃手法により、企業活動の停止や情報漏えいなどの深刻な影響が生じていること、また経済安全保障の観点から重要インフラや行政サービスを守る求めが高まっていることを踏まえ、両社は純国産のセキュリティ基盤や体制整備を進めてきた。5月の基本合意では、AIと脅威インテリジェンスを組み合わせたインテリジェンス駆動型サイバーセキュリティの強化や、グローバルな監視・運用体制の構築が協業の柱として示されており、今回の新会社設立はその具体化の一段階と位置付けられる。
今後の運営体制として、両社はUCFに加え、KDDIグループの株式会社ラックおよびNECグループのNECセキュリティ株式会社と連携し、ACDへの対応体制を構築していく方針を示している。ラックが提供するセキュリティ監視センターやインシデント対応サービス、NECおよびNECセキュリティが持つ運用・監視ノウハウや海外拠点でのサイバーインテリジェンス拠点といったアセットを組み合わせることで、国内外のサイバー脅威に対し、より高度な監視・防御・対応を行う体制を構築する狙いがある。
また、両社は2025年5月時点の発表で、協業全体として「国内最大規模のサイバーセキュリティ事業」を目指すと表明しており、AIビジネスプラットフォーム「WAKONX」や価値創造モデル「BluStellar」を通じて純国産のセキュリティ基盤を提供する構想を示していた。今回のUCF設立は、その構想を支える合弁会社として、政府および企業向けの企画・提案機能を中核に位置づけるものであり、日本発のサイバーセキュリティエコシステムを強化する施策の一つと整理できる。
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