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- 2026/01/06 掲載
ロイヤルホスト「コロナ禍で275億の赤字」でも…V字回復できた意外な理由
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
ロイヤルHDの祖業は機内食事業
ロイヤルHDの祖業は福岡空港での機内食事業と喫茶事業で、1951年に創業した。創設者の江頭匡一氏は福岡の米軍基地の指定商人であり、米軍基地が羽田~福岡線の空港として使われたことから、同事業を始めたという。その後はレストラン事業を手がけ、1971年に北九州市で「ロイヤルホスト」を開業した。当時としては高価格だが、880円の「88ステーキ」がよく売れたという。1973年にはモータリゼーションに合わせ、高速のパーキングエリア内にレストランを開業した。当時、洋食はホテルのレストランまたは個人経営の店舗でしか食べることができず、手が届きにくい存在だった。また、個人経営の店舗は価格が分かりづらいため、気軽に入れるものではなかった。こうした状況で画一的なファミレスチェーンは敷居の低い存在として支持されるようになった。他社の事例だが、1970年に開業したすかいらーく(ガストの前身)もメニューや店舗の画一性が好まれ、全国チェーンに発展した。
ロイヤルホストは失速も、強化を進めた“ある事業”
その後、1995年に「ロイネットホテル(現リッチモンドホテル)」を開業し、ホテル事業に参入した。当初は大和ハウス工業など複数社による出資で設立されたが、2004年にロイヤルが一部店舗を承継し、現在に至る。外食関連では2006年に「てんや」を展開するテンコーポレーションを子会社化した。大株主の丸紅が選択と集中で外食事業の縮小を図る一方、ロイヤルは和食事業の強化や、「天ぷら」による海外展開に可能性を見い出していた。また、先述の通り屋台骨のロイヤルホストがピークアウトしていたことも背景にある。
競合ではすかいらーくが低価格業態「ガスト」への切り替えを進めたように、1990年代から2000年代にかけて外食では低価格化が進んだ。不景気で消費者は価格を優先するようになり、高価格帯のロイヤルホストは苦戦した。
他社がセントラルキッチンへの依存を進める一方、ロイヤルホストは店内調理を重視し、低価格競争には参入しなかった。結果的に店舗数の減少をもたらしたが、ロイヤルはブランドイメージと質の維持に努めたのである。 【次ページ】【図解】何で稼いでる?ロイヤルHDの主力4事業とは?
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