• 2025/12/10 掲載

アンソロピック、AIインタビュー機能「Anthropic Interviewer」を公開

一般職やクリエイター、科学者ら計1,250人を対象とした調査結果も発表

ビジネス+IT

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アンソロピックは、チャットボット Claude を使って10~15分の対話形式インタビューを自動実施できる「Anthropic Interviewer」を公開した。一般職やクリエイター、科学者ら計1,250人を対象とした試験調査の結果、AI利用に対する肯定的な評価が多数を占める一方、スティグマや信頼性への懸念も浮かび上がっている。
アンソロピックは2025年12月4日、自社のLarge Language Model (LLM)「Claude」上で動作する新ツール「Anthropic Interviewer」を公開した。これは、人間研究者が設計したインタビュー構造を基に、Claudeが参加者と10~15分程度のリアルタイム対話を行い、そのトランスクリプトをAIと人間研究者が共同で分析することで、大規模かつ質的なユーザー調査を可能にするものである。

この試験導入では、一般職1,000人、クリエイティブ職125人、科学者125人を含む計1,250人のプロフェッショナルを対象に「仕事におけるAIの利用と感覚」に関するインタビューが行われた。

調査結果では、多くの参加者がAIの利用を肯定的に捉えている。一般職では86%が「AIの利用で時間が節約される」と答え、65%が「AIによる業務支援の役割に満足している」と報告した。

クリエイティブ職では97%が時間短縮を実感、68%が仕事の質の向上を挙げている。

しかしながら、一様に肯定というわけではない。クリエイティブ職の約70%が「同僚や業界内でAI使用に対するスティグマ(偏見)がある」と述べ、AI利用を公言しづらい、と感じている。

また、科学者の間では、文献レビューやコードデバッグなどの補助的タスクには使われているが、仮説生成や実験設計などコアな研究タスクにはAIの信頼性や精度の問題から慎重な姿勢が目立った。79%が「AIの信頼性・ハルシネーション(誤出力)の問題」を懸念材料に挙げていた。

興味深い点として、参加者自身が「AIは人の能力を拡張する(augmentation)」ために使っていると答えた割合は65%だったが、Anthropicが別途分析した実際の利用ログでは、拡張が47%、AIによる自動実行(automation)が49%と拮抗する結果が出たという。 つまり、多くの人は自分の用途を「協働」と認識していても、実態としてはかなり自動化志向が強い可能性がある。

アンソロピックは、このAnthropic Interviewerを、自社の「Societal Impacts(社会的影響)」プログラムの一環と位置付け、大規模な職業別・用途別のAI利用実態と意識の調査を継続する計画としている。これは、単なるチャットログや利用統計では捉えきれなかった「人々がAIをどう感じ、どのように使っているか」を浮き彫りにする手法であり、AIの社会実装における重要な知見基盤となる可能性がある

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