- 2020/09/07 掲載
中国の8月輸出は前年比+9.5%、1年半ぶり高い伸び 輸入の不振続く
輸出の伸び率はアナリスト予想(7.1%)も上回った。7月は7.2%増だった。
一方、輸入は2.1%減少した。アナリスト予想は0.1%増。7月は1.4%減だった。
中国経済は第1・四半期に過去最大の落ち込みを記録後、景気刺激策に支えられて回復しつつあるが、堅調な輸出は回復のスピードが速まり、よりバランスの取れたものになる可能性を示している。
オックスフォード・エコノミクスのルイ・クイジス氏は「中国の輸出は引き続き予想を上回り、世界貿易を大きく上回るペースで拡大し、結果として世界でのシェアを広げている」と指摘。
「輸入データは失望を誘う内容で、中国の内需については慎重に判断する必要性を示している」とした。
好調な輸出は医療機器の過去最大の出荷や電子製品への強い需要を反映しており、一部のアナリストが恐れていたほど世界経済の鈍化の悪影響を受けていない。
ただ、輸入は減少が加速するという予想外の結果で、内需の弱まりを物語っている。
8月は銅輸入が前月の過去最高水準から減少し、石炭輸入も前月から20.8%減少した。
<先行きに不透明感>
8月の中国貿易収支は589億3000万ドルの黒字。予想は505億ドルの黒字だった。7月は623億3000万ドルの黒字だった。
輸出の先行きはなお不透明感が強い。貿易相手国が新型コロナ感染再拡大に見舞われ、行動制限を再び導入することになれば、海外での中国製品の需要が打撃を受ける可能性がある。
また、米中の緊張関係の高まりは、11月の米大統領選を前にさらに悪化するとみられる。中国による米国製品の購入ペースは、「第1段階」通商合意に盛りこまれた目標をはるかに下回っている。
8月の対米貿易黒字は342億4000万ドルで、前月の324億6000万ドルから拡大した。
*内容を追加しました。
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