• 2020/09/24 掲載

FRB当局者、実質ゼロ金利維持を確約 追加的財政支援の必要性指摘

ロイター

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[ワシントン 23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の当局者らは23日、インフレ率が持続的に2%の目標に到達するまで金利をゼロ付近に維持する方針を改めて強調し、失業率が低下するよう、緩和的政策を長期間続けるとのメッセージが市場にさらに浸透するよう図った。

FRBのクラリダ副議長とシカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、労働市場が新型コロナウイルス流行による景気の落ち込みから完全に回復し、物価がFRBの目標に達するまでは利上げはしない考えを鮮明にした。

クラリダ氏はブルームバーグ・テレビに対し「実際の個人消費支出(PCE)価格指数の伸びが2%に達するまで、金利は現在の水準である実質ゼロ%にとどまる」とした上で、「これは『少なくとも』そうなるという意味で、実際にはそれ以上に金利を据え置く可能性がある」と表明した。

さらに「実際のインフレ率が2%に到達するまで、利上げを考えようとさえしないだろう」とした。

また、2%をどれだけオーバーシュートすることが容認できるかという問題は、景気が回復するまでは「理論的」な議論にとどまるだろうとの見方を示した。

エバンズ総裁は「私は2.5%のインフレ率を恐れていない」と指摘。インフレ率オーバーシュートの許容度が低ければ低いほど、FRBの2%の目標到達に要する時間が長くなるとの認識を示した。

どちらにしても、FRBはインフレ率が持続的に2%に達するまでは利上げはしない方針で、オーバーシュートが起きると確信しているが、2023年末まではそのような状況にならないとの見通しを示した。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁はボストン・エコノミック・クラブが主催したオンラインイベントの講演で、新型コロナ感染者が秋から冬にかけて増加し、経済成長率が鈍化した場合、インフレ率2%の目標到達にさらに時間がかかる可能性があると指摘。4年以内に2%に到達すれば「ラッキーだ」とした。

エバンズ氏は記者向けの電話会見で、FRBの国債買い入れを現在の月額1200億ドルから増額したり資産買い入れを拡大することは、経済の状況が改善するまでは時期尚早だとの見解を示した。

失業率が現在の8.4%から6%近くまで低下し、家庭外での支出に安心感を抱く消費者が増えるなどの条件を挙げ、そのような状況になれば「われわれは適切な緩和の量やどのように実施すべきかがよく分かるようになるだろう」とした。

<追加的財政支援が必要とも>

パウエルFRB議長は議会証言で、コロナ禍からの景気回復が進展しているとはいえ、コロナ前の2月時点と比較すると、なお何百万人もの失業者がおり、「道のりは長い」と指摘。「(景気回復への取り組みを)続ける必要がある。議会とFRBの双方が支援すれば、回復のスピードは速まる」と述べた。

複数の当局者は追加的財政支援策の必要性を指摘。クラリダ氏は、政府・議会による追加措置で、米経済はおそらく3年以内に高失業率と需要低迷という現在の「深い穴」から抜け出せるとした。

ローゼングレン氏はロイターのインタビューで「コロナの流行が3カ月なら問題なかったが、かなり長期化しており、より的を絞った支出が明らかに必要だ」と語った。

一方、サンフランシスコ地区連銀のデーリー総裁は、FRBは雇用不足の解消という責務を果たす必要があり、これができているかどうかを判断するためにインフレ率の推移を見守るとの姿勢を示した。

デーリー氏は、最大雇用について見せ掛けの数字は設定せず、「インフレ率をガイドにする。われわれは経験に基づいて最大雇用が何を意味するのかを把握できるまで、つまり賃金上昇や物価上昇の形で現れるまで、経済が回るよう図る決意だ」と述べた。

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