- 2020/11/05 掲載
島津製作所、「細胞観察サポートWebアプリケーションCell Pocket」を発売
細胞培養ラボでは培養状態の正常/異常を作業者が目視で判定したり、観察対象の細胞の数やコロニーの面積を計算したりといった煩雑な業務が不可欠です。細胞画像専用の解析ソフトウェアは存在するものの、解析条件の設定は複雑な上に専門知識や経験が求められます。そのため経験者以外には使いこなせず、観察業務が属人的になりがちでした。近年はソフトにAIによる画像解析技術が搭載されるようになったものの、「大量の教師データ収集の難しさ」「深層学習の解析結果への信頼性」といった点が課題でした。
今回開発した「Cell Pocket」では、当社の独自技術(特許出願中)によって、AIがわずか数十枚の画像を学習しただけで高速・高精度の画像解析が可能となります。「細胞の個数」「コロニーの増殖速度」「細胞異常の面積比率」などといった細胞培養の現場に即した様々な定量情報の算出を実現いたしました。また、AIが学習した後の解析精度を検証する機能も搭載しており、深層学習技術に対する信頼性もユーザー自身にご確認いただけます。
島津製作所の細胞事業開発室は、これまでに細胞培地分析プラットフォーム「C2MAP(シーツ―マップ)システム」や細胞コロニーピッキング装置「CELL PICKER」などの開発を通じて、細胞培養関連の業務効率化を図ってきました。今後は効率化に留まらず、各種装置に画像解析技術を組み合わせることにより、培養する細胞の品質管理に資するシステムの開発を目指します。
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