- 2021/04/02 掲載
阪大とJSOL、「JSOL次世代CAE共同研究講座」を開設
設計への利用が定着したCAE解析は、材料と形状を定義した上でコンピューター解析を進めますが、さらにCAE解析の設計利用を活性化する上での大きな課題が、材料定義のための特性取得です。正確な材料定義が製品設計に必要な解析精度の確保につながりますが、そのための物理特性・材料特性を得る材料試験は、一般に大きなコストと時間を要します。
設計時に実施される塑性加工や破損挙動の解析時には異方性や非線形性を伴う材料特性の取得が求められますが、そのための材料試験は複雑で、安定したデータの取得が困難です。そこで、材料試験を結晶塑性解析ベースの数値実験に置き換え、汎用性と実用性を備えたシステムとするVirtual Materials Testing(仮想材料試験)が実現すれば、低コストかつ短期間で高精度な材料特性の取得が可能になります。また、使用する材料特性の取得実験にまで手が回らなかった業態でのCAE利用の活性化と、それによる設計品質の向上も期待できます。
本共同研究講座では、大阪大学大学院工学研究科の澁谷陽二教授の研究室が保有するマイクロピラーを用いた材料試験技術と種々のスケールで材料の変形や強度を捉えるマルチスケール解析技術、およびJSOLの保有する解析プログラミング技術と40年を超えるCAE解析経験を融合することにより、柔軟かつ迅速にVirtual Materials Testing(仮想材料試験)の実現に向けた研究開発を進めます。また、大阪大学の産学官共創コースをはじめとする産学連携の枠組みを通じて、相互の研究者の人材交流を図り、研究開発ネットワークを構築するとともに、工学分野における学術の発展、技術課題の解決、および創造力豊かな人材の育成への貢献を目指します。
本共同研究講座における研究開発を通じて、製造業における設計に資する次世代CAE技術の実用化を目指し、さまざまな分野の方々と協力しながらソリューション化を図っていきます。
◇本共同研究講座について
・共同研究講座名:JSOL次世代CAE共同研究講座
・研究目的:Virtual Materials Testing(仮想材料試験)実現のための要素技術の確立およびソリューション化に向けての検討
・設立場所:大阪大学吹田キャンパス センテラス棟 CT-403
・住所:〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1
・設置期間:2021年4月1日から2024年3月31日
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