- 2021/04/27 掲載
矢野経済研究所、国内のEC決済サービス市場に関する調査結果を発表
1.市場概況
EC市場拡大を背景に、EC決済サービス市場も拡大を続けている。また、コロナ禍を機にEC事業に進出する事業者やD2C(Direct to Consumer)に取組む事業者が増えており、そのような事業者においてもEC決済サービスの導入も進んでいる。一方で、決済代行業者では、決済手数料率の引き下げ競争が激化している。そのため、加盟店のサイト集客支援や販促支援、送金サービスなどにより、決済手段以外の付加価値を提供することで差別化を図っている。
また、決済手段においてはさまざまな決済サービスが登場するなか、大手決済代行業者などでオンライン取引でのQRコード(※)決済を拡充する動きが出ている。この取組みは、多様化する決済手段に対応することで、より広い層の消費者を取り込もうとする加盟店に対して、EC決済サービスの利用促進を図る意味合いがある。現在EC決済の取扱高では、オンライン取引でのQRコード決済金額が占める割合は小さいものの、利用は急増している。
大手決済代行業者を中心に取扱高は順調に増加しており、さらにコロナ禍がEC市場の拡大を後押ししていること、BtoB領域での決済サービス提供が進むことなどから、EC決済サービス市場は拡大している。また、EC決済サービス提供事業者は、対面(リアル)取引やオムニチャネルに関する決済サービスの提供にも注力していくと考える。こうした要因などを背景に、2019年度のEC決済サービス市場(EC決済サービス提供事業者の取扱高ベース)を16兆4,325億円(前年度比116.0%)と推計し、2020年度は19兆1,562億円(同116.6%)の見込みである。
※「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
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