- 2021/06/07 掲載
東京商工リサーチ、2021年(1-5月)の「飲食業の倒産動向」調査結果を発表
緊急事態宣言の再延長や、まん延防止等重点措置実施が続く。緊急事態宣言下では、休業・時短営業や酒類提供の停止等が要請されている。
「酒場・ビヤホール(居酒屋)」では倒産が69件発生し、このうち新型コロナ関連倒産は43件と6割以上(構成比62.3%)を占めた。酒類提供が制限され、来店客の減少や客単価の低下などで売上が落ち込み、厳しい状況に置かれている。
コロナ禍でインバウンド需要の消失や外出自粛、在宅勤務の広がりに加え、酒類販売の停止など、経営環境の激変が1年以上続き、飲食業界の見通しは厳しい状況が続いている。
飲食業は規模により、初期投資や人員採用が比較的少なく済み、小・零細規模の企業も多い。また、自治体や金融機関からの創業支援もあり、過小資本での創業も少なくない。それだけに経営体力がぜい弱な企業も多いが、持続化給付金などで一時的に救済された事業者も少なくない。だが、長引くコロナ禍で体力の疲弊が進み、今後は息切れの懸念が強まっている。
※本調査は、日本産業分類の「飲食業」(「食堂,レストラン」「専門料理店」「そば・うどん店」「すし店」「酒場,ビヤホール」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」「喫茶店」「その他の飲食店」「持ち帰り飲食サービス業」「宅配飲食サービス業」)の2021年1-5月の倒産を集計、分析した。
■新型コロナ関連倒産がほぼ半数
2021年(1-5月)の「飲食業」倒産は270件(前年同期比15.6%減)だった。2020年1-5月は人手不足による人件費上昇で倒産が増加。一方、2021年1-5月は新型コロナウイルス感染拡大に伴う制度融資や持続化給付金、協力金などの資金繰り支援が奏功し、倒産は抑制されてきた。
ただ、飲食業倒産に占める新型コロナ関連倒産の構成比は、1月43.3%、2月35.1%、3月43.6%、4月53.7%、5月49.0%と、高い水準で推移している。
飲食業は、経営体力がぜい弱な小・零細企業が多いだけに、外出自粛や時短営業、休業要請による売上減少などで、時間の経過とともに新型コロナウイルス感染拡大の影響は深刻さを増している。
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