- 2021/06/08 掲載
東大と日本IBM、ウイルスゲノム変異解析・可視化を迅速に実施するシステムを開発
・東京大学医科学研究所(以下、東大医科研)附属ヒトゲノム解析センター(センター長:井元 清哉 教授)と日本アイ・ビー・エム株式会社(代表取締役社長:山口明夫、以下 IBM)は、新型コロナウイルスの変異状況のモニタリングならびにウイルスの感染経路同定に活用できる「HGC SARS-CoV-2 Variant Browser」を開発し、システムの運用を開始したことを発表いたしました。
・新型コロナウイルスのゲノム情報を用いて「どういった変異を持っており」「いつどの国から流入し」「どのように感染拡大してきたのか」を迅速に把握することができます。
・現在、新型コロナウイルス変異株は大きな問題になっており、その感染拡大状況を迅速に調べる体制が求められています。今後、ワクチン接種に伴う社会機能回復時の人流の増大に伴い、海外からの新たな変異株の流入やワクチン回避株の出現が懸念され、ウイルスゲノム解析を拡大する必要性があります。
■発表概要:
新型コロナウイルスは、世界的流行のなかでゲノム変異を繰り返し、感染性が高まったり、ワクチンの効果を回避したりするような変異株の出現が懸念され新たな脅威になっています。どこでどのような変異株が感染拡大しているのか、新たな変異株が生じていないかを知ることは、変異株対策において極めて重要です。加えて、ウイルスゲノムの変異情報は、人から人への感染経路を把握する作業において大切な情報になります。感染経路がはっきりすれば、感染リスクが高い場所や行動を推測でき、感染を防ぐ可能性がある有効な対策に繋がります。
2021年5月現在、世界中から集められた170万人以上の感染者から取得された新型コロナウイルスのゲノム配列が公開されています。こうした情報を活用するため、東大医科研附属ヒトゲノム解析センターは、IBMと共同でHGC SARS-CoV-2 Variant Browserを開発し、スーパーコンピュータSHIROKANE上で運用を開始しました。新型コロナウイルスのゲノム変異状況のモニタリングや懸念するべき変異株の迅速な発見、ゲノム変異情報を用いた感染経路の推定が可能になります。
関連コンテンツ
PR
PR
PR