- 2021/06/08 掲載
東大、数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム完全準拠教材の無償提供開始
◆国内で初めて政府の「AI戦略 2019(注1)」に対応した数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム(注2)に完全準拠した教材を開発・公開しました。
◆本教材を使用した模擬授業を含むワークショップを2021年6月24日に実施するなど、全国の大学や高等専門学校での教材の活用支援も行います。
◆本教材の活用によって、専門教員を持たない人文系の高等教育機関での教育の促進が見込まれ、社会全体の数理・データサイエンス・AI基礎力の底上げによるデジタル改革推進の一助となることが期待されます。
2.発表概要:
東京大学 数理・情報教育研究センター(センター長:駒木 文保(大学院情報理工学系研究科教授)、以下「MIセンター」)は、数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム(以下「モデルカリキュラム」)に準拠した教材を開発し、2021年6月8日に国内すべての大学・高等専門学校等に向けて無償公開を開始しました( http://www.mi.utokyo.ac.jp/6university_consortium.html)。この取組は、政府の「AI戦略 2019」に対応したものであり、モデルカリキュラムの内容の全てに対応した教材の公表は、全国で初めての試みです。今後、東京大学が幹事校を務める数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム(議長:北川 源四郎(東京大学MIセンター特任教授)、以下「コンソーシアム」)の活動の一環として、本教材を活用したワークショップ等を行い、具体的な活用方法も含めて広く全国に普及・展開します。これらの取組によって、我が国の数理・データサイエンス・AI教育の底上げを図るとともに、教えることができる教員の不足を解消しデジタル改革の推進の一助となることを期待しています。
3.発表内容:
<背景>
IoT、AI等の情報科学技術の急速な発展、国際競争の熾烈化、デジタル改革の推進に伴い、数理・データサイエンス・AI人材の育成に対する社会的要請が高まっています。こうした中、東京大学は、2017年に複数の研究科が連携する全学的組織として「MIセンター」を設置しました。同センターは、東京大学全体の数理・情報教育の支援・促進に加えて、全国120(2021年4月時点)の国公私立大学・高等専門学校等からなるコンソーシアムの事務局として、会員校と連携・協力し、全ての大学が参照可能なモデルカリキュラムの策定、教材開発など、全国の数理・データサイエンスAI教育の強化・質の向上に向けた取組を推進しています。
この度、同センターは、コンソーシアムが2021年3月に策定した「数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム~AI×データ活用の実践~」に完全準拠した教材(スライド教材、実習用補助教材等)を開発し、ウェブサイトで公開しました。
MIセンターでは、2020年4月にリテラシーレベルのモデルカリキュラムに準拠した教材を公開しており、今回開発された応用基礎レベルの教材と併せて、モデルカリキュラムの内容のすべてに対応した教材を完成させ、日本国内で初めて公開したことになります。
この取組は、コンソーシアムの主要な活動の1つであると同時に、政府の「AI戦略 2019」に対応するものであり、人材育成規模に対する教員の不足などが課題とされる中、目標達成に資する重要な取組として位置付けることができます。
注1:AI 戦略 2019
2019 年 6 月統合イノベーション戦略推進会議が決定した政府主導の戦略。具体目標として「文理を問わず、全ての大学・高専生(約 50 万人卒/年)が、課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AI を習得」、「文理を問わず、一定規模の大学・高専生(約 25 万人卒/年)が、自らの専門分野への数理・データサイエンス・AI の応用基礎力を習得」などを掲げる。
注2:数理・データサイエンス・AI 教育モデルカリキュラム
国内すべての大学・高等専門学校が参照可能な全国的なモデルとなるカリキュラムとして、数理・データサイエンス・AI 教育強化拠点コンソーシアムが策定。「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム ~データ思考の涵養~」(2020 年 4 月公表)及び「数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム ~AI×データ活用の実践~」(2021 年 3 月公表)がある。
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