- 2021/07/21 掲載
蘭ASML、第2四半期は38%増益 半導体不足で販売急増
世界的な半導体不足を背景に販売急増が続いた。同社は2021年の売上高予想を上方修正。新たな自社株買い計画も発表した。
売上高は前年比22%増の40億2000万ユーロ。リソグラフィー装置の受注は第1・四半期末との比較で75%増の83億ユーロだった。
先進半導体の製造に利用される極端紫外線(EUV)装置の受注は49億ユーロ。
ピーター・ウェニンク最高経営責任者(CEO)は「全ての市場セグメント、製品ポートフォリオで引き続き旺盛な需要が見られる。市場は生産能力の拡大を重視している」と指摘。
「生産を増やすため、われわれもサプライヤーも、誰もが猛烈に働いている。基本的に今日のデジタル革命がすべての原動力となっている」と述べた。
同社は2021年の売上高予想を35%増に上方修正。4月にも従来予想を3倍に引き上げ30%増としていた。最先端の半導体製造装置と、既存の装置の生産能力を向上させるユーティリティーソフトの需要が好調なことが背景。粗利益率は50.9%に上昇した。
ASMLの顧客には、すべての大手半導体メーカーが含まれる。台湾積体電路製造(TSMC)、サムスン、インテルは、大規模な事業拡張を計画しているが、拡張にはASMLの装置が必要となる。
リフィニティブのデータによると、純利益の市場予想は10億2000万ユーロ、売上高の市場予想は40億8000万ユーロだった。
ASML株は年初から40%以上上昇。午前のアムステルダム市場では4%値上がりしている。時価総額は2400億ユーロ(2830億ドル)を超えた。
INGのアナリスト、マーク・ヘッセリンク氏はリポートで「デジタル化の波を背景に、顧客は生産能力を構造的に拡大している。全体としては、2021年以降の需要見通しは非常に明るい」と述べた。
ASMLは2022年末までに90億ユーロ相当の自社株買いを実施すると表明。昨年開始して、ほぼ終了した60億ユーロ規模の自社株買い計画の代わりとなる。
ウェニンクCEOは「業界の未来は明るいと考えている。半導体メーカーの売上高は現在、総額5000億ドル前後だが、2020年代の終わりには1兆ドルに達している可能性がある」と述べた。
ASMLの販売の大半は台湾、韓国向け。3位は中国、4位は米国となっている。
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