- 2021/08/25 掲載
NECと九大、「My-IoT開発プラットフォーム」東京都の認知症高齢者向けIoT実証事業採用
「My-IoT開発プラットフォーム」(以下 本プラットフォーム)は、内閣府が実施する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)(注6) 第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤」(管理法人:NEDO(注7))においてNECと九州大学が技術開発したものです。IoTが普及していない国内の産業・地域などにおいて、IoT利用者自身がローコードで簡単にIoTシステムを構築してデジタル化の価値を検証し、新規ビジネス創出につなげることを目的としたエッジコンピューティングプラットフォームです。本プラットフォームを軸としたコンサルテーション、業者間のマッチング、教育などの社会実装支援ならびに普及活動を担うMy-IoTコンソーシアム(注8)が、技術開発と社会実装の両輪で取り組みを進めています。
今回、本プラットフォームの初採用となる東京アプローチは、国立大学法人電気通信大学(注9)が中心となって提案するテーマで、認知症患者のQOL(Quality of life)を維持させるとともに、認知症患者のケアを担う介護士や家族の負担を軽減することを目指しています。
具体的には、認知症患者に装着されるウェラブルセンサや居室に置かれた各種のセンサとエッジコンピューティングならびにAIシステムを連動させ、認知症患者を見守るだけでなく、認知症特有の行動症状および心理症状であるBPSD(Behavioral and Psychological Symptom of Dementia、(注10))の予測を自動的に行い、介護士へ通知してケア手法を提示するものです。
本システムは、早期の社会実装を目指すため、安価かつ短期間で構築する必要がありました。また、認知症患者のバイタルデータ、居室の環境データ、介護記録など、認知症患者にまつわるパーソナライズされた多種多様なデータを、安全に収集し処理するエッジコンピューティングプラットフォームを必要としました。さらに、エッジ処理に加え、機器のリソース管理や、多数のエッジのプログラムをリモートで配信・管理するための機能も求められました。
そこで、本システムのエッジコンピューティング部分の開発を担当しているケアコムは、これらの要件に適した「My-IoT開発プラットフォーム」を採用しました。
ケアコムは、本プラットフォームを活用することで、東京都アプローチにおいて、認知症予防を実現するためベッドサイドと室内環境の情報収集を行い、通知情報と突合した行動予測を行います。今後は、この東京アプローチの方向性である、データの蓄積と予測をさらに強化し、医療・介護のみならず家庭における安全・安心の提供を目指して、蓄積された情報の解釈とその利活用を前提としたセーフティマネジメントシステムの構築を目指します。
(注1)所在地:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:森田 隆之
(注2)所在地:福岡県福岡市、総長:石橋 達朗
(注3)「AIとIoTにより認知症高齢者問題を多面的に解決する東京アプローチの確立」
PDFhttps://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/zaisei/teian/2daigaku/daigaku2.pdf
new windowhttp://www.tokyo-approach.uec.ac.jp/
(注4)利用者や端末と物理的に近い場所に処理装置(エッジプラットフォーム)を分散配置して、ネットワークの端点でデータ処理を行う環境
(注5)所在地:東京都調布市、代表取締役社長:池川 充洋
(注6)戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) new windowhttps://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/index.html
(注7)国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) new windowhttps://www.nedo.go.jp/
(注8)所在地:福岡県福岡市、幹事長:井上 弘士(九州大学システムLSI研究センター センター長 兼任)
(注9)所在地:東京都調布市、学長:田野 俊一
(注10)BPSD:認知症の行動・心理症状
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