• 2021/09/07 掲載

香川大など、Beyond 5G無線通信を支える空間多重光ネットワーク技術の研究開発に着手

香川大、KDDI総研、NEC

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 国立大学法人香川大学(本部:香川県高松市、学長:筧 善行、以下 香川大学)、株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下 KDDI総合研究所)、日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:森田 隆之、以下 NEC)、サンテック株式会社(本社:愛知県小牧市、代表取締役社長:鄭 元鎬、以下 サンテック)、古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林 敬一、以下 古河電工)の5者は、国立研究開発法人情報通信研究機構(本部:東京都小金井市、理事長:徳田 英幸、以下 NICT)の「Beyond 5G研究開発促進事業」に係る委託研究の基幹課題「Beyond 5G超大容量無線通信を支える空間多重光ネットワーク・ノード技術の研究開発」(代表研究者:香川大学、以下 本研究開発)に採択され、令和3年7月27日付でNICTと委託契約を締結の上、研究に着手しました。

 現在、第5世代(5G)無線通信サービス[1]の導入が進められていますが、すでに国内外でその次の世代(Beyond 5G)の無線通信サービス[2]に向けた研究開発が推進されています。将来のBeyond 5G移動無線通信サービスは、5Gの特長である「高速・大容量」、「低遅延」、「多数端末との接続」のさらなる高度化が期待され、これを支える光ネットワーク[3]には、ペタビット毎秒[4](Pb/s)級光リンク容量が必要となると考えられています。本研究開発では、マルチコアファイバ[5](MCF)などの空間多重技術に基づく超大容量空間多重光ネットワーク[6]に必要な、下記の基盤技術の研究開発に取り組みます。

1.階層化光ネットワーク・光ノード設計技術(担当:香川大学)

2.保守性に優れたファンイン・ファンアウト[7](FIFO)レス中継システム構築技術(担当:KDDI総合研究所)

3.MCFのコア毎に伝搬方向が異なる光信号の一括増幅技術(担当:NEC)

4.MCFのコア毎に切り替え可能な空間光スイッチ技術(担当:サンテック)

5.装置内接続用MCF配線・接続技術(担当:古河電工)

 本研究開発により、将来のBeyond 5G無線通信サービスを支える、経済性と転送性能に優れた超大容量光ネットワークの実現が期待されます。

 本基幹課題の研究開発期間は令和3年7月27日から、令和4年度のステージゲート評価を経て、最長で令和6年度まで継続の予定です。

[1] 第 5 世代無線通信サービス:移動無線通信サービスは、およそ 10 年ごとに通信速度の向上と世代交代が進み、現在導入が進められている第 5 世代無線通信サービス(5G)は「高速・大容量」に加え、「低遅延」、「多数端末との接続」という特徴を持っています。高臨場感のある映像の伝送、自動運転サポートや遠隔医療など、様々なサービス、産業を革新すると期待されています。

[2] Beyond 5G 無線通信サービス:第 5 世代無線通信サービス(5G)の特長(高速・大容量、低遅延、多数端末との接続)のさらなる高度化に加えて、空・海・宇宙への利用領域の拡張、超低消費電力、超高信頼などの特徴を備えることが想定されています。第6世代(6G)とも呼ばれます。

[3] 光ネットワーク:光信号の行き先を選択する多数の光ノードを、光信号の伝送路である光ファイバを用いて網目状に接続した通信ネットワーク。

[4] ペタビット毎秒:ペタ(記号 P)は単位の前に付けられる接頭語の一つであり、10 の 15 乗を表します。1 ペタビット毎秒(Pb/s)は、1 秒当たり、10 の15 乗ビットのディジタル信号を送信することを意味します。

[5] マルチコアファイバ:現在、使用されている光ファイバは、髪の毛ほどの太さのガラス繊維の中にコアと呼ばれる光の通り道が 1 本だけ配置されています。マルチコアファイバは 1 本の光ファイバの中に複数本のコアが配置されており、光ファイバ 1 本当たりの伝送容量の大幅な増加が期待されています。

[6] 空間多重光ネットワーク:現在の光ネットワークは波長分割多重技術を用いて、波長単位で経路の設定が行われています。空間多重光ネットワークでは空間分割多重技術に基づき、波長よりも大束なコア単位で経路設定を行います。空間分割多重技術と従来の波長分割多重技術を組み合わせることで、空間多重光ネットワークは超大容量の光ネットワークを経済的に実現可能と期待されています。

[7] ファンイン・ファンアウト:光信号を空間分割多重する際に用いる光デバイス。

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