• 2021/10/12 掲載

東大など、呼吸器感染症の感染リスク低減対策のための教育現場向け参考ガイドを策定

東大、ダイキン工業、日本ペイントHD

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 国立大学法人東京大学(総長:藤井 輝夫、以下「東京大学」)とダイキン工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長兼CEO:十河政則、以下「ダイキン工業」)、日本ペイントホールディングス株式会社(本社:東京都中央区 代表執行役共同社長:若月 雄一郎、ウィー・シューキム、以下「日本ペイント」)は共同で、厚生労働省をはじめ政府・行政機関などから発出された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの呼吸器感染症の感染リスク低減対策に対応する室内環境の整備方法に関して、学校などの教育施設の管理責任者向けの参考資料として、工学的実証に基づく具体的な対策案をまとめた参考ガイドを策定しました。

■東京大学と企業が組織対組織で連携し、未来社会ビジョンを共有し、学術の発展と社会還元を進める産学協創

 東京大学は、世界の公共性に奉仕する本学の使命を踏まえ、地球と人類社会の未来への貢献に向けた協創を効果的に推進するために、全学的組織として未来社会協創推進本部(FSI)を設置し、様々な活動を展開しています。産学協創とは、FSIのガバナンスのもとで、東京大学とパートナー企業双方の経営層による合意形成の上、組織対組織で連携して未来社会ビジョンを共有し、その実現に向けて共に活動し、学術の一層の発展とその社会還元を推進する活動です。ダイキン工業とは2018年12月から「空気の価値化」に関する産学協創(※1)を進め、日本ペイントとは2020年5月から「革新的コーティング技術の創生」に関する産学協創(※2)を進めています。

■三者共同の産学協創によるはじめての成果

 今回、東京大学とダイキン工業との産学協創において進めてきた空気感染・エアロゾル感染(※3)対策に関する研究成果と、東京大学と日本ペイントとの産学協創において進めてきた接触感染対策に関する研究成果を束ねることにより、三者共同で、将来を担う児童生徒や学生が日々を過ごす学校などの教育施設の室内環境整備への早期導入を見据えた具体的な対策案をまとめた参考ガイドを策定いたしました。この成果は、感染対策という同一の目的を持つ二つの産学協創から発展して生まれた、三者共同の産学協創による初めての成果となります。

■厚生労働省をはじめ政府・行政機関などから発出された感染リスク低減対策に対応して、工学的、実践的対策案を学術的に検討

 昨年来の我が国における新型コロナウイルス感染症の流行により、社会は大きな行動変容を迫られました。厚生労働省をはじめとして政府・行政機関は感染防止の基本的な対策として「マスクの着用」「手洗い」「3密(密接・密集・密閉)回避」の徹底を呼びかけるとともに、窓開け換気や機械換気による必要換気量の確保による空気感染・エアロゾル感染対策、マスクの着用や十分な対人距離の確保、衝立の使用などによる飛沫感染対策、手指消毒や不特定多数が高頻度で接触する部位であるドアノブや什器などの消毒・除菌による接触感染対策などを推奨しています。本参考ガイドは、これらの中で室内環境の整備に関わる対策に関して、策定しています。

 オフィスや商業施設を中心に感染対策が進む中、学校などの教育施設においても感染対策の推進が課題となっています。しかしながら、学校などの教育施設では多くの児童生徒や学生がひとつの教室に長時間滞在するのが一般的で、十分な対人距離を保つことは困難です。また、教室を換気する際には窓を開けたり換気扇をつけたりして対応する場合が多く、特に夏期・冬期など、室内外の環境や湿度の差が大きい期間には、暑く湿った空気や冷たく乾いた空気の流入が増加することで、室内環境の快適性が損なわれ、学習効果の低下や在室者の体調不良につながることも懸念されます。さらに、通常清掃をより丁寧に行う以上の対策として、児童生徒や学生が高頻度で接触する机や椅子、手すりや扉の取手などの定期的な消毒にも、膨大な時間と労力がかかり、実施が困難です。本参考ガイドは、産学協創の活動の一環として行われ、学校現場におけるフィールド実験やシミュレーション等の学術的検討を通して得られた成果に基づき、具体的な対策案をまとめたものです。

※1 2018 年12 月17 日に東京大学とダイキン工業とで交わされた「産学協創協定」に基づく。この産学協創協定は、年間 10 億円を目途とする予算規模で10 年間の継続が予定されている。https://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/content/400102955.pdf この協定による東京大学における社会連携講座https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/research/orgs-projects/d04_07.html の設置は2021年8月1日現在で15講座となり、ダイキン工業より賄われる講座設置費用(契約ベース)は、総額 43 億 8 千万円である。ただし、上記、産学協創協定に基づかない過去の設置等は、算入していない。https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400030933.pdf

※2 2020 年 10 月 1 日より、5 年間の予定で設置される社会連携講座に基づく。日本ペイントホールディングスより賄われる講座設置費用(契約ベース)は、総額11 億円である。https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400030933.pdf

※3 エアロゾル感染:感染者から放出される細菌やウイルスなどを含む飛沫の水分が蒸発して、小粒径の飛沫核となる過程に生じる比較的小粒径の浮遊微粒子を呼吸により吸入して生じる感染。

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