- 2021/12/06 掲載
慶應義塾大学、Beyond 5G時代に向けた新しい光ネットワーク運用コンセプト実験に成功
1. 研究の背景
慶應義塾大学理工学部では、総務省の「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」プログラムの一環として、耐障害性を向上させる複数経路を用いた通信容量割り当て技術(ECGR:Expected Capacity Guaranteed Routing)の研究開発、及び国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の「超並列型光ネットワーク基盤技術の研究開発」委託研究の一環として、伸縮自在性を備えた超並列光伝送ネットワークを使いこなすための次世代イーサネット技術(ダイナミック MAC:Media Access Control)の研究開発を行ってきました。
ECGRとは、「複数の通信経路に対して通信可能時間と故障による通信不能時間を確率モデルに基づいて予測を行い、動的に通信容量を割り当てる」という新しい概念に基づいた光ネットワーク運用技術です。現在の通信キャリアは年間99.999%のネットワーク稼働率を保証していますが、ECGRによって、稼働率が99%であっても現在と同等の通信容量を提供可能とすることを目指しています。また、ダイナミック MACは、並列伝送に用いる数100本の並列光伝送リンク(超多並列光伝送リンク)上で、使用する光伝送リンクの本数を動的に更新しながら運用継続を可能にすることで耐障害性の向上を実現する技術です。
本研究グループは、ECGRの基幹技術の一つである、故障予測に基づいた経路割り当てアルゴリズム、ECGRの考え方を計算リソース割り当てにも拡張したアクセスメトロ網を用いたエッジコンピューティング技術(AMec:Access & Metro Edge Computing)の予測や通知に基づいた計算リソース割り当てによる仮想エッジコンピューティング技術の研究開発に取り組んできました。また、ダイナミック MACの基幹技術の一つとして、並列伝送時の複数経路での転送遅延差吸収制御技術、光伝送リンク故障に対する縮退運用制御技術の研究開発にも取り組んできました。
*1 本研究開発は、国立研究開発法人情報通信研究機構の委託研究「超並列型光ネットワーク基盤技術の研究開発」によるものです。
*2 本研究開発は、総務省委託研究「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」(JPMI00316)によるものです。
関連コンテンツ
PR
PR
PR