• 2022/04/20 掲載

ガートナージャパン、ハイブリッド・ワークに関する展望を発表

ガートナージャパン

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 ガートナージャパン株式会社(本社:東京都港区、以下Gartner)は、日本のハイブリッド・ワークに関する展望を発表しました。2026年まで、人や組織への対応にフォーカスしない未来の働き方への取り組みの8割以上が失敗するとGartnerは予測しています。企業は、ハイブリッド・ワークを企業戦略における最重要課題の1つと位置付け、従業員にとって働きやすい環境の構築を推進する必要があります。

 2020年から続く感染症対策や新たな働き方を模索する動きにより、日本企業では、リモートワークが継続しています。一方、長期にわたるテレワークを経て、オフィスに戻る従業員も一部で見られるようになるなど、テレワークとオフィス・ワークのハイブリッド環境が進行しています。多くの従業員は、自分にとって最も働きやすく、生産性の上がる場所や時間で働くことのメリットに気付き始めています。また、企業は、従業員の働きやすい環境としてハイブリッド・ワークを当たり前のものとして積極的に推進し、会社としての魅力を高めることが企業価値の観点から重要であると認識しつつあります。

 アナリストでシニア プリンシパルの針生 恵理( https://www.gartner.co.jp/ja/research/expert-bio/eri_hariu)は次のように述べています。「今後ハイブリッド・ワークは、デジタル・ワークプレース戦略の中核として、企業戦略の重要な位置を占めるようになるでしょう。ハイブリッド・ワーク環境における働き方の取り組みでは、従来の『オフィス中心型のデザイン』ではなく、『人間中心型のデザイン』を取り入れた働き方を推進する必要があります」

 ハイブリッド・ワーク環境における「人間中心型のデザイン」による働き方を推進するには、以下の3つの視点を持つことが重要です。1つ目は、全従業員共通の標準環境よりもむしろ従業員個々の働きやすい環境の追求、2つ目はオフィス内の偶発的なコミュニケーションではなく意図的なコミュニケーションを促進する仕組みの構築、3つ目は目に見えるものやインプットによる評価ではなく、目に見えないものや共感ベースのマネジメントの推進です。これらに関しては、インフラやセキュリティといったIT関連のツールやサービスだけでなく、企業全体の方針や文化、働き方をも根本的に見直す必要があります。これまでボトムアップで緊急的、断片的にテレワークやハイブリッド・ワークを行ってきた企業は、企業全体の働き方の問題として「人間中心型のデザイン」を目指し、中長期的な観点で対処していくことが重要です。

 こうした未来の働き方への取り組みにおいて、「人間中心型」にフォーカスしてテクノロジやサービスの活用を後押しするIT部門は、高い確率で成果を創出し、さらなる成果へとつなげていく土壌を生み出します。一方、サービスやテクノロジの選択に重きを置き、エンドユーザーである従業員が求める環境を提供できないIT部門は、その限りではありません。

 針生は次のように述べています。「未来の働き方への取り組みにおいては、サービスを使いこなす人のスキル、ニーズとサービスの不適合、変化に対する人の受容性、組織の壁や企業文化といった、人や組織に関わることが最大のリスク要素になります。デジタル化が当たり前の時代においては、主体となる従業員にとってユーザー・フレンドリーなテクノロジを選定するだけに留まらず、従業員自身が新たなテクノロジやサービスを使いこなせるスキルの向上が必須となります」

 一方で、オフィスやリモートワーク環境などのさまざまな場所で働くハイブリッド・ワーク環境において、従業員管理の在り方が各企業の課題となっており、成果を上げられる企業とそうでない企業が明確に分かれています。管理職による過剰な管理や誤った管理手法(例えば、頻繁な報告の義務付け、Webカメラでの常時監視、SNSによる行動のチェック、各種モニタリング・ツールでの従業員の稼働状況の確認など)、管理放棄などによる混乱が見られます。これらは、従業員の自律的な働き方を阻害し、生産性を低下させているだけでなく、管理職と部下の間の著しいエンゲージメントの低下を招く要因になっています。

 従業員の働き方をリアルタイムで把握するために可視化ツールを導入する場合は、監視目的ではなく、同僚や部下がどのような状況にあり、どのようにサポートできるか、どうしたらより良い働き方ができるかといった前向きな評価を行うために活用することが重要です。2025年までに、企業の40%では、パフォーマンス可視化ツールが採用されることで、従業員の生産性が落ちることが予想されます。

 針生は次のように述べています。「ハイブリッド・ワークの推進においては、目に見えるものではなく、見えないものを企業としていかに評価していくかといった基準を設ける機会を創ることが重要です。それには、従業員が自律的に行動して働ける環境を提供するために、従業員が自ら計画を立てて行動できる機会を与え、過剰な監視/管理から、エンゲージメント強化へと考え方をシフトさせる必要があります。さらに管理職の意識改革や能力も鍵となります。企業は、人や組織を含め、従業員がいかに快適に働けるかといった視点を『未来の働き方』に転換するための最重要ポイントとして取り入れていく必要があります」

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