- 2022/04/27 掲載
東芝など、量子暗号通信の商用向けメトロネットワークのトライアルサービスを提供開始
また、本トライアルサービスの最初の顧客企業としてErnst & Young Global Limited(本社:英国ロンドン、以下EY)が、ロンドン東部のカナリー・ワーフ地区とロンドン・ブリッジ周辺地区間の拠点間接続での利用を予定しています。本トライアルサービスにより、量子鍵配送(Quantum Key Distribution、以下QKD)がどのように安全にデータを拠点間で転送できるかを示し、量子暗号通信ネットワークが顧客企業にもたらす効果を明らかにしていく予定です。
東芝、東芝デジタルソリューションズとBTは2021年10月に発表(注2)したとおり、ロンドンで量子暗号通信の商用向けメトロネットワークの実証環境を共同で構築しました。今回トライアルサービスの提供を開始する商用向けメトロネットワークはBTの子会社であるBritish Telecommunications plcが運用し、BTの子会社であるOpenreachが提供するプライベートファイバーネットワークと、東芝デジタルソリューションズが提供するQKDシステム及び鍵管理システムによる、専用の高帯域エンドツーエンド暗号化リンクを含むさまざまな量子暗号通信サービスを提供します。
本ネットワークは、ロンドン市内で事業を展開する多くの顧客企業をつなぎ、通常の光ファイバーを用いたQKDにより、実拠点間での重要情報のデータ通信を安全に行うことを可能にします。QKDは今後の量子コンピューティングを用いたサイバー攻撃による脅威からネットワークやデータを守るために必要不可欠な重要な技術です。今般のトライアルサービスの開始は、英国政府が戦略として掲げる量子対応経済の実現に貢献する重要な一歩になります。
BTのCTOであるHoward Watsonは、「量子技術は、将来の社会とビジネスのあり方に大きな影響を与えると期待されていますが、その技術の理解・開発・構築は極めて複雑です。特に、エンドツーエンドサービスの設計が市場の厳しいセキュリティ要件を満たすことが重要となります。私は、BTと東芝が協力して順調にこの独自のネットワークを実現することができたことを非常に誇りに思います。そして最初のトライアルの顧客であるEYとともに、量子技術の商用利用に向けさらなる探求を進め、社会的アプリケーションに向けた道を切り開いていきます。」と述べています。
東芝の執行役上席常務、最高デジタル責任者、および東芝デジタルソリューションズの取締役社長である岡田俊輔は、「東芝とBTの両社はともに、世界レベルの技術開発を行い、数十年に及ぶイノベーションや活動を通じてリーダーシップを発揮してきました。ネットワーク技術におけるBTのリーダーシップと、量子技術における東芝のリーダーシップを組み合わせ、このネットワークに命を吹き込むことで、初めてロンドン一帯のビジネスにとって量子暗号通信が有益なものとなると考えています。」と述べています。
注1:東芝およびBT調べ
注2:2021年10月5日ニュースリリース
「東芝と英国BT、ロンドンで世界初の量子暗号通信の商用メトロネットワークを構築」
https://www.global.toshiba/jp/news/corporate/2021/10/news-20211005-01.html
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