- 2022/05/11 掲載
SAPジャパン、従業員の定着率向上とデジタル変革の関係性に関する調査レポートを発表
今回の調査「変革に必要な人材の確保」は、Dynata社が委託を受け、日本を含むアジア太平洋地域の8カ国1,363人の中小企業経営者と意思決定者(うち日本の中小企業経営者207人)を対象に行われた調査です。今回の調査では、経済協力開発機構(OECD)の定義に基づいて、11人から250人の従業員を擁する組織を中小企業としました。
調査によると、日本の中小企業のほぼ10分の9(86%)が、従業員の変動(退職など)が自社のデジタル変革計画に直接影響を及ぼしていると回答していることが明らかになりました。一方で、アジア太平洋地域全体では、中小企業の74%が、来年の企業の存続にとってデジタル変革が「ある程度重要」または「非常に重要」だと回答しているのに対し、同様の回答をした日本の中小企業は、わずか36%にとどまりました。
■従業員の変動が日本の中小企業のデジタル変革に与える影響
調査によると、アジア太平洋地域全体で中小企業の40%が、12カ月前と比較して、退職する従業員が増えていると回答する中、同様の回答をした日本の中小企業は、わずか17%にとどまりました。しかしながら、従業員の離職率は低くても、従業員の確保と定着が課題であることには変わりありません。事実、日本の中小企業の43%が、1年前と比較して、後任者の採用や補充が難しくなったと感じています。また、31%が、採用時に適任者がほとんど、あるいはまったく見つからないと回答しています。
人材不足は企業のデジタル変革力に影響を与えています。実際、熟練した人材の不足は、サイバーセキュリティや予算不足といった従来の問題よりも、日本の中小企業の変革を実現する上での最優先課題としてランク付けされています。
SAPアジア太平洋地域プレジデント ポール・マリオット(Paul Marriott)は次のように述べています。「デジタル変革は、中小企業がレジリエンス(混乱への対応能力)を強化するだけでなく、スピーディかつ革新的に成長へと道を切り開いていく根本的な方法です。しかしながら、適切な人材なくして、変革は困難です。日本の中小企業が確実に生き残り、繁栄していくには、人材に対しても、イノベーションに対する投資と同等の投資を行っていく必要があります」
■従業員定着を目的とした人材と教育への投資
企業のデジタル変革力を強化するために、日本の中小企業は従業員への投資を行っています。今回の調査の回答者は、今後12カ月間にわたって従業員の定着率を向上させるための重点課題として、柔軟な勤務形態の導入(46%)と金銭的インセンティブの改善(40%)を挙げています。また、これらの重点課題以外に教育も重視しており、主要な人材を維持するために今後12カ月間でスキルアップの機会を提供すると回答した割合は、3分の1(33%)にのぼっています。
教育に力を入れるのであれば、早いに越したことはありません。中小企業の半数以上(52%)が、デジタル変革の推進には従業員のスキルアップが急務だと回答しており、日本の中小企業の39%が今年1年を通して、デジタルトレーニングに注力する予定です。
マリオットは次のように述べています。「従業員は、適切な報酬、柔軟性、明確なキャリアアップの道筋を必要としています。従業員のスキルアップとキャリアアップを優先し、適切なテクノロジーとパートナーを活用して従業員をサポートすることが、日本において従業員と中小企業の双方にメリットがある、ということは証明されています」
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