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- 2023/02/02 掲載
全自動かつ短時間でラボ環境構築、「Jumpstart HCIBox」のスゴさとは
デプロイ後はほとんどの処理が自動
この連載の以下の回では、2022年から次々に一般提供(GA)となったAzure Arcのセルフラーニングのための「Azure Arc Jumpstart」のラボ環境「Jumpstart ArcBox」を紹介しました。Azure Arcの学習に最適、Jumpstart ArcBoxとは?この「Azure Arc Jumpstart」の新しいフレーバー(特定の機能の評価に特化した環境)として、2022年10月に「Jumpstart HCIBox」が追加され、パブリックプレビューとしての提供が始まりました(画面1)。
Jumpstart HCIBoxは、Azureのサービスとして提供される、オンプレミスに設置するハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)ソリューションである、「Azure Stack HCI」の各種機能を評価するためのラボ環境を、Azure仮想マシン(Azure VM)の中に作成した複数台のHyper-V仮想マシン(Hyper-V VM)で提供するものです。
Azure Stack HCIは、マイクロソフトのOEMパートナーの統合システムや認定ハードウェア(Azure Stack HCIカタログに掲載)で利用されることが想定されていますが、Jumpstart HCIBoxを利用すれば、ハードウェアを準備しなくても、数時間で評価環境を手に入れることができるのです。
Jumpstart HCIBoxをデプロイし、利用可能になるまでには3~4時間かかりますが、ほとんどの処理は自動化されており、ほぼ確実(パラメーターの間違いなどない限り)にラボ環境を準備することができるようになっています。
具体的には、Azure CLI(Azureポータルの「Azure Cloud Shell」で可)でいくつかのコマンドラインを実行するだけで、Azure VMがデプロイされ(15分程度)、初めてリモートデスクトップ接続したときに自動実行されるログオンスクリプト(3~4時間)が完了すると、Azure Stack HCIの利用環境の準備が整います(画面2)。
“フル機能”というのは、オンプレミスに必須のActive Directoryドメインコントローラー、管理用のWindows Admin Centerのサーバー、BGPルーターとして機能するリモートアクセスサーバー、そして2ノード構成のAzure Stack HCIクラスターがHyper-Vの入れ子になった仮想化を用いて複数台のHyper-V VMでセットアップされます(画面3)。
しかし、Azure VMの中でラボ環境がどのようにセットアップされているのかは重要ではありません。Azureの各種サービスを利用する際に、Azureのバックエンドのインフラストラクチャーを利用者が知らなくても良いのと同じ理由で、Azure Stack HCIの環境も利用者からはブラックボックスでまったく問題ないはずです。
出来上がる環境は英語(en-us)環境ですが、同じ理由で評価に影響はないはずです。Azure Stack HCIの利用や管理は、日本語に対応したAzureポータルやWindows Admin Centerを使用します。
Azure Stack HCIのハードウェアを導入することを予定している管理者にとっては、確実に動いている環境を色々と調べることで、参考になるでしょう。
【次ページ】ラボ環境はAzure Stack HCIの「フル機能」
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