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  • 2023/02/02 掲載

全自動かつ短時間でラボ環境構築、「Jumpstart HCIBox」のスゴさとは

山市良のマイクロソフトEYE

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以前、この連載で紹介した「Azure Arc Jumpstart」のメニューに、「HCIBox」という新しいフレーバーが追加されました。現時点では、パブリックプレビューとしての提供ですが、今、注目の「Azure Stack HCI」のフル環境を全自動、数時間で準備できる優れものです。今回はこのHCIBoxについて解説します。

執筆:フリーライター 山市 良

執筆:フリーライター 山市 良

IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など

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画面1:Azure Arc Jumpstartにパブリックプレビューとして追加された「Jumpstart HCIBox」

デプロイ後はほとんどの処理が自動

 この連載の以下の回では、2022年から次々に一般提供(GA)となったAzure Arcのセルフラーニングのための「Azure Arc Jumpstart」のラボ環境「Jumpstart ArcBox」を紹介しました。
Azure Arcの学習に最適、Jumpstart ArcBoxとは?
 この「Azure Arc Jumpstart」の新しいフレーバー(特定の機能の評価に特化した環境)として、2022年10月に「Jumpstart HCIBox」が追加され、パブリックプレビューとしての提供が始まりました(画面1)。
 Jumpstart HCIBoxは、Azureのサービスとして提供される、オンプレミスに設置するハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)ソリューションである、「Azure Stack HCI」の各種機能を評価するためのラボ環境を、Azure仮想マシン(Azure VM)の中に作成した複数台のHyper-V仮想マシン(Hyper-V VM)で提供するものです。

 Azure Stack HCIは、マイクロソフトのOEMパートナーの統合システムや認定ハードウェア(Azure Stack HCIカタログに掲載)で利用されることが想定されていますが、Jumpstart HCIBoxを利用すれば、ハードウェアを準備しなくても、数時間で評価環境を手に入れることができるのです。

 Jumpstart HCIBoxをデプロイし、利用可能になるまでには3~4時間かかりますが、ほとんどの処理は自動化されており、ほぼ確実(パラメーターの間違いなどない限り)にラボ環境を準備することができるようになっています。

 具体的には、Azure CLI(Azureポータルの「Azure Cloud Shell」で可)でいくつかのコマンドラインを実行するだけで、Azure VMがデプロイされ(15分程度)、初めてリモートデスクトップ接続したときに自動実行されるログオンスクリプト(3~4時間)が完了すると、Azure Stack HCIの利用環境の準備が整います(画面2)。

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画面2:初回ログオン時のログオンスクリプトにより、Hyper-V VMイメージのダウンロードやAzure Stack HCIの各種機能のセットアップが行われる

 “フル機能”というのは、オンプレミスに必須のActive Directoryドメインコントローラー、管理用のWindows Admin Centerのサーバー、BGPルーターとして機能するリモートアクセスサーバー、そして2ノード構成のAzure Stack HCIクラスターがHyper-Vの入れ子になった仮想化を用いて複数台のHyper-V VMでセットアップされます(画面3)。

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画面3:Azure VMの中の3台のHyper-V VMがラボ環境を提供するが、その1つのHyper-V VMの入れ子になった仮想化でさらに3台のHyper-V VMが動いている

 しかし、Azure VMの中でラボ環境がどのようにセットアップされているのかは重要ではありません。Azureの各種サービスを利用する際に、Azureのバックエンドのインフラストラクチャーを利用者が知らなくても良いのと同じ理由で、Azure Stack HCIの環境も利用者からはブラックボックスでまったく問題ないはずです。

 出来上がる環境は英語(en-us)環境ですが、同じ理由で評価に影響はないはずです。Azure Stack HCIの利用や管理は、日本語に対応したAzureポータルやWindows Admin Centerを使用します。

 Azure Stack HCIのハードウェアを導入することを予定している管理者にとっては、確実に動いている環境を色々と調べることで、参考になるでしょう。

【次ページ】ラボ環境はAzure Stack HCIの「フル機能」

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