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  • 2022/07/21 掲載

Azure Arcの学習に最適、Jumpstart ArcBoxとは?

山市良のマイクロソフトEYE

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本連載で昨年初め、当時登場したばかりの「Azure Arc」とはどのようなサービスなのか、最初にGA(一般提供開始)となった「Azure Arc対応サーバー」を例に紹介し、無料のオンライントレーニングプラットフォームである「Microsoft Learn」による学習をお勧めしました。今回は、評価/デモ環境を短時間で構築できる「Azure Arc Jumpstart」について紹介します。

執筆:フリーライター 山市 良

執筆:フリーライター 山市 良

IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など

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Azure Arc Jumpstartは、評価/デモ環境を短時間で構築できる
(出典:Azure Arc Jumpstart

3つの利用環境を短時間で構築できる

 マイクロソフトの製品やサービスの最新情報は、いつの頃からかその製品やサービスの担当チームの公式ブログで発表されることが多くなりました。しかし、企業向け主力サーバー製品の一つであるはずのWindows Serverチームの公式ブログには、ここ数年、Windows Server 2022のリリースの発表以外に特筆するべきニュースは掲載されていません。

 一方で、最近筆者が注目しているのは、Azure Arcチームのブログです。更新頻度が高い上、Azure Arcを推し進める興味深い施策が次々に発表されています。その一つが、Azure Arcを始めるガイドである「Azure Arc Jumpstart」で今年になって次々にGAとなった「Jumpstart ArcBox」です。


 Azure Arc Jumpstartは、Azure Arcですぐに作業を開始できるように、知識ゼロの状態からその道のプロになる体験を提供するために、Azure Arcプラットフォームで作業を開始しながら、詳細なスクリーンショットやコードサンプルを提供するプロジェクトとして2021年初めにスタートしました。

 Jumpstart ArcBoxはこのプロジェクトの成果物の一つとして今年初めに発表されたものです。


 Azure Arcの評価やデモのためのサンドボックス化(Azure仮想マシンのゲストOSのHyper-Vで入れ子構造の仮想化機能を利用)された以下の3つのいずれかの利用環境(Flavor)を、自動化された手順で短時間で構築できます。

ArcBox Full Azure Arc対応サーバー、Azure Arc対応Kubernetes、Azure Arc対応データサービスを備えたJumpstart ArcBoxのフル環境。
ArcBox for IT Pros Azure Arc対応サーバー、Azure Arc対応SQL Server、Azure Monitor、Microsoft Defender for Cloud、Azure Policy、Azure Update Managementの機能を用いて管理されたWindowsおよびLinux仮想マシンからなるサンドボックス環境。
ArcBox for DevOps Azure Arc対応Kuberenetesのサンドボックス環境で、GitOps、Open Service Mesh(OSM)、Azure Key Vault、Azure Monitor、Microsoft Defender for Cloudなどの開発に必須の機能を含みます。

 Jumpstart ArcBoxは、すべてマイクロソフト提供のサービスで構築される環境であるため、有効なAzureサブスクリプションがあればAzureポータル(Deploy to Azure)またはAzure CLIを使用して簡単かつ短時間でデプロイすることができます。

 現在、東日本を含む12のリージョンでデプロイすることができ、デプロイ完了後、サンドボックス環境(「ArcBox-Client」仮想マシン)にリモートデスクトップ接続することで、初回ログオン時に実行されるスクリプト(Flavorによっては一部手動操作が必要なものもあります)によって最終的なセットアップが行われます(画面1画面2)。

画像
画面1:「Deploy to Azure」をクリックして、必要な情報を入力し、デプロイを開始する(事前にAzure CLIでサービスプリンシパルやSSHキーの生成が必要)
画像
画面2:「ArcBox-Client」に初めてログオンすると、ログオンスクリプトにより環境のセットアップが継続される

【次ページ】1時間以内にセットアップ完了

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