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- 2007/07/13 掲載
開源節流(2) 資金調達の段取り(2/2)
5つのステップで、実際の資金調達活動というものをご紹介してきました。資金調達先、つまり外部を交えた後のスケジュールの目安は下記の通りになります。必ずこれを考えた上で活動を行ってください。
・ステップ4~5:最低1ヶ月
当月や来月の資金繰りのための資金調達活動を行うのは、愚の骨頂です。それこそ、計画をたてない経営マネジメントは必ずツケがまわってくることになります。
より早期に実施するためにはどうすればよいかというと、(1)数値計画をたて、そして(2)実績管理をして、(3)資金繰り計画をたて、(4)それを毎月トレースをしていく、そして、(5)何ヵ月後に資金が必要になるのか、ということを日々(最低でも月次)で把握することです。
資金調達のやり方は、零細企業、ベンチャー企業、中堅企業、大企業、いかなる大きさであれ、企業の経営マネジメント層の方は理解しておくべき最低限の知識といえるでしょう。
資金調達方法はいろいろありますが、原理原則に従い実施するば非常にシンプルな活動といえます。資金欲しさに上記のステップの一部を省いたり、まとめたりしてしまうと後々大変な思いをすることになります。
それが原因で資金繰りに失敗したらそれこそ企業の事業継続に支障を来たします。そのため、成功することを重要視するのではなく、「失敗しない資金調達」というのを優先的に意識してください。
また、前述のような方法で、資金調達を行った場合、「その資金は何に使うのか? いつ使うのか? どのような効果をだすのか? だからいくら必要なのか?」ということを表明していたはずです。そのため、当然、その通りに行動しなくてはなりません。
調達した資金を予定通りに使ったこと、使った結果どのような効果が得られたのかということ、この2点を明確に報告することも重要です。仮に結果がうまく出なかったということもあるかもしれません。その場合は無用に虚偽を報告することなく正直に報告することで信用してもらえることもあります。
一番信用を失うことは、思ったとおりの結果が出なかった、ということよりも、調達前に表明していた規模以上に資金を投下してしまったり、使途を変えて使ってしまったり、虚偽の報告をしてしまったりすることです。資金調達をするということは、その資金調達の方法がどのような方法にせよ、第三者を巻き込んで事業を推進することになります。計画の策定、実績の把握、その補正、そしてまた実績の検証、という段取りを守れなければ資金調達をしてはいけないのです。
銀行、ノンバンク、ベンチャーキャピタルといった投資する側から、「融資させてください」や「投資させてください」と逆に要請を受ける企業もあろうかと思います。しかしながら、それを鵜呑みにして無用な資金調達をせず、かならず前述の手順を踏んで必要に応じた資金調達を実施してください。
資金調達というのは、キャッシュマネジメントの1つであり、それはそのまま経営マネジメントだと言えます。マネジメント(管理)というのは、将来に起きることを数値化し(予算化)、今何が起きているのか、ということを適正に知って(実績化)、それがずれた場合の対策を日々実施していくことがその本質なのではないでしょうか。ぜひ予算実績管理をテーマに、経営マネジメントの見直しをしてみてください。
次回は、資金調達後の投資(特にシステム投資)について説明いたします。システム投資については、現金で実施する場合やリースにて実施する場合、または人員を確保して社内で構成する場合などがあります。これらの実施をする際の注意点などについてご紹介しましょう。
![]() 未来予想 パートナー 東京都出身。大学卒業と同時に衆議院議員秘書として議員会館で勤める経歴をもつ。その後、ベンチャー企業への転身を機に管理部門機能の経験を経て、現在未来予想株式会社にて、ベンチャー企業向けの経営企画・管理・財務部門のコンサルティングならびに実務支援の専門家として活動をしている。 |
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