- 2008/06/12 掲載
ボーン・グローバル:フィンランドからグローバル・ベンチャー企業をつくる人々のビジネス+IT戦略(6)
1976年東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。フィンランド、ヘルシンキ経済大学にて経営学修士(MBA)を取得。ヘルシンキ経済大学在学中に、アメリカ、ワシントン州立大学に交換留学。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社後、ビジネスプロデュースを行うヴォヴィスに設立メンバーとして参加。
大学在学中からインターネットビジネスに携わり、数多くのインターネット、IT関連のビジネスに対してのコンサルティング活動に従事。戦略、オペレーション、デザイン、システムなどの幅広い知識を持ち、日本だけでなくフィンランドをはじめ欧州、そして、米国のIT業界にネットワークを持つ。
共著書に、格差なき社会とIT産業が支える強い国際競争力を同時に実現したフィンランドの社会・産業構造を解説した、「ザ・フィンランド・システム」がある。
ボーン・グローバルとは、設立時からグローバル・マーケットを視野に入れ、急速に国際化を進めるビジネス戦略と定義した。これは、企業だけではなく、ビジネス・コミュニティを作ることにも応用できる。日本でも数多くのビジネス・コミュニティはあるが、設立と同時に急速に全世界に広がったビジネス・コミュニティではなかなかない。
今回は、フィンランド、ヘルシンキから生まれ、現在では、世界中に50都市以上に支部がある(もちろん、東京にもある)ビジネス・コミュニティ、モバイルマンデー(Mobile Monday)について解説したい。
なお、今回の連載は2007年6月にフィンランドを訪れた際に行ったインタビューをもとに執筆している。
モバイルマンデーとは
モバイルマンデーの運営会社CEO ヤリ・タンミスト(Jari Tammisto)氏 |
現在のモバイルマンデーの活動の中心は、Webサイト上での情報発信と、携帯電話関係者が集い最新ビジネスのプレゼンテーションが行われる会合である。
そもそもモバイルマンデーの起こりは、このモバイルマンデーというユニークな名前に隠されている。あるとき、ヘルシンキで、携帯電話に関係するビジネスパーソンの集まりを企画したところ、月曜日しか、スケジュールが合わなかったそうだ。そして、この会がきっかけとなり、定期的に月曜日に集まり、携帯電話関連ビジネスの情報交換会が始まったということだ。
ヘルシンキで始まったモバイルマンデーであるが、初期のころからプレゼンテーションは、基本的に英語で行われているそうだ。
今回取材に応じてくれた、モバイルマンデーの運営会社のCEOであるヤリ・タンミスト(Jari Tammisto)氏は、このことについて、「フィンランドの若手ビジネスマンが世界に打って出るために英語のプレゼンテーションの場が必要だった」とも語ってくれた。
なお、インタビューを受けてくれたヤリ氏は、成功したフィンランド人起業家だ。90年代半ばに自身が大株主だったITC企業を売却し、その後は、一時期、ニュージランドへ移住していたが、「まだ、フィンランドの産業界に貢献できることがある」と考えてフィンランドに戻り、使命感をもってモバイルマンデーを運営しているとのことだ。
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