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  • 【近藤正高氏インタビュー】新時代を迎える私鉄はどう変わるのか

  • 2008/06/25

【近藤正高氏インタビュー】新時代を迎える私鉄はどう変わるのか

副都心線開業のニュースも記憶に新しいが、いま、私鉄はかつてない変動の時代を迎えている。そんな中、ブロガーとしても活躍し、該博な知識で知られる近藤正高氏が、私鉄とその沿線文化を描き出した『私鉄探検』(ソフトバンク新書)を上梓した。西武、京王、京急、つくばエクスプレス、名鉄、近鉄、阪急・阪神などの個性豊かな私鉄沿線の姿を描き出した近藤氏に昨今の私鉄業界についてうかがった。


鉄道ブームは続くよ、どこまでも

――ここ数年、「鉄道ブーム」というふうにいわれているわけですが、どう思われますか?

近藤氏■
思った以上に長く続いているな、というのが正直な感想ですね。昨年のはじめぐらいから……いや、ひょっとしたらおととしの年末ぐらいにはすでに、本書の担当の編集者と「鉄道に関連した書籍を出したいですね」という話をしていたんですけど、そう考えるともう2年近く鉄道ブームと言われているものが続いてるわけですよ。

【コラム】【近藤正高氏インタビュー】新時代を迎える私鉄はどう変わるのか
『私鉄探検』
――そもそもこのブームは何がきっかけだったんでしょう?

近藤氏■
それが僕にはよくわからないんですが。これまでにも鉄道ブームって、70年代にSLが全廃される直前に起こったSLブームや、ブルートレインブームとか折に触れてありましたけど、そう考えるといまのブームって直接的なきっかけというか、核になっているものがよく見えませんね。

――先日開業した副都心線など新しい路線の開業なんかは、きっかけにはなっていると思われますか?

近藤氏■
もちろん、ひとつのきっかけにはなっていると思います。2005年のつくばエクスプレス開業あたりからはじまって、今年に入ってからは、関東では副都心線をはじめ横浜市営地下鉄のグリーンラインや東京都交通局の日暮里・舎人ライナー、関西でも京阪中之島線(秋開業予定)と新線開業ラッシュですし、来年以降も阪神なんば線、成田新高速鉄道などの開業が予定されていたりと、新線開業が相次いでるからこそブームが持続しているというのはたしかにあるでしょう。

 あと、新幹線技術を導入した台湾高速鉄道の開業などを契機に、政府や企業がいま、日本の鉄道技術の輸出に本腰を入れはじめているのを見ると、「世界に冠たる日本の鉄道をもっと讃えよう」というような風潮も、いまの鉄道ブームを後押ししているような気がするんですけどね。

――ひと昔前にアニメが、「世界に誇れる日本の文化」というふうに注目されたのとちょっと似てますね。

近藤氏■
いわれてみれば、そうですね。それ以外にも、昨年はさいたま市に鉄道博物館がオープンしたり、首都圏の私鉄で使えるICカード乗車券「PASMO」が発売されたり、あと、千葉県のローカル私鉄の銚子電鉄が、全国のファンなどの援助をうけて廃止の危機を乗り切ったこととか、話題になったトピックはたくさんありますよね。

 でも、たしかにトピックは多いけれども、そのすべてを追っかけてる人は鉄道ファンでも案外少ないんじゃないでしょうか。

――『私鉄探検』では、そのあたりにはかなり目配せしているような気がしますが。

近藤氏■
ただ、この本ではどうしても私鉄、それも大都市を基盤とする大手私鉄のトピックを中心にとりあげざるをえなかったわけで、JRや地方の中小私鉄に関してはどうしても手が回りませんでした。

 それでも、大手私鉄の各トピックを通じて、現在の鉄道業界に何が起きているのか、その一端でもうかがえるようにはしたつもりです。

――そもそも近藤さんが私鉄に興味を持つようになった理由は何ですか。

近藤氏■
まあ子供のときから人並みに電車は好きでしたけど、歴史とかそういう面で興味を持つようになったのは、ここ10年ぐらいです。日本の近代史と鉄道のかかわりについて興味をもって、それこそ戦後の新幹線のルーツだといわれる戦前の弾丸列車計画とかあのあたりの本はかなり集めましたね。その流れで、原武史の『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社選書メチエ)なんかも読んで、関西の私鉄の生み出した文化についてくわしく知ることになるわけです。

――あとがきでは、昨年(2007年)、名鉄資料館(岐阜県可児市)に行ったことが本を書く発端だと書かれていますが。

近藤氏■
そうそう、僕は名鉄の沿線で育ったんですけど、そのことが自分にどれだけ影響を与えてきたのかということを、名鉄資料館に行って初めて考えさせられたんですね。

 まあ名鉄というのは愛知県ではほぼ独占企業なので、JRよりよっぽど名鉄のほうがなじみ深いわけですよ。その上、学校の遠足でも明治村やリトルワールドとか、名鉄のつくった観光施設に結構行ったりとか、その企業文化の影響を知らず知らずのうちに受けていたんだなあと。

 そう考えると、私鉄というのは単に人を運ぶだけじゃなくて、沿線開発やグループ企業を通じて僕らの生活や文化にかなりの影響を与えているんですよね。

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