- 2025/07/19 掲載
20年来の顧客を「しがらみ」と認定、家族が戻ってきた40代男性の「英断」(2/3)
「つながり」「しがらみ」を炙り出してわかること
「つながり」の人間関係を炙(あぶ)り出すと、あなたがどんな人といると心地よくて、力を発揮できるのかがわかります。「しがらみ」の人間関係はその反対です。あなたが「避けるべき人たち」がわかります。
「つながり」はポジティブな人間関係、「しがらみ」はネガティブな人間関係と言い換えられます。
でも、大切な点は「あなたの感情が強く動く人間関係を炙り出す」ことです。
「ちょっと好き」ではなく「会社を辞めてもまた会いたい」と思えるほど好きかどうか。「なんとなく気が合わない」ではなく「できれば二度と会いたくない」と思えるほど嫌いかどうか。
この「感情の振り幅」が大きければ大きいほど、あなたはあなたのことをわかるようになります。
人に対するポジティブな感情もネガティブな感情も、自己理解を深める手段にできます。
一方で「無関心」な人は、自分を知る手段になりません。
感情が動いていないからです。
実際にノートをつくった相談者さんは「この人たちとは一緒にいれない。これは揺るぎない気持ちです」や「仕事内容よりも“今の職場の人たちと頑張りたい”気持ちに気づきました」と声を寄せてくださいます。
転職活動でも面接や企業との何気ないメールのやり取りの中で「この会社は合うぞということがすぐにわかりました」や「この会社は危険だと感じられるようになりました」と話す人もいます。
最終面接では「私は貴社と相性がいいと感じています。なぜなら~」と理由を明確に話すことができて、第1志望の会社の内定をとることができた人もいます。
「この会社でやれることはすべてやろう」と、退職を踏みとどまる人もいました。
「嫌い」の感情は「好き」よりも強く本音を映し出す
あなたの人間関係の本音は、「しがらみ」を理解することからはじまります。「あの人が嫌い」の感情は「好き」よりも強く、あなたの本音を映し出すからです。一方で、相談者さんの中でも「この人はしがらみだ」と決めることにためらいを感じていた方が多いです。たしかに家庭では「人に迷惑をかけないように」と躾(しつ)けられます。学校では「友だち100人できるかな」と友だちをつくる大切さを教えられます。
就職や転職の面接でもあいまいな定義のまま「コミュニケーション能力」が評価されます。
私たちは人とつながる方法は習ってきても、断ち切り方や「この人とは距離を取ろう」と感じる「しがらみ」を察知する本音のセンサーは磨いてこなかったようです。 【次ページ】20年付き合った顧客との関係を断ち切った理由とその結果
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