- 2025/07/04 掲載
ミドルの転職、もはや業界不問? 「越境転職」に必要な条件とは【調査&事例あり】
7割が「異業種希望者が増えている」転職先と出身業種は?
調査によると、転職コンサルタントの71%が「異業種への転職を希望するミドル人材が増えている」と回答。その背景には、「現在の業界や会社の先行きに不安がある」(68%)という切実な事情が最多に挙がった。加えて、「成長している業界・給与相場の高い業界で働きたい」(40%)といったキャリアアップへの期待も目立った。
実際に異業種転職をした人材の“出身業種”では、「メーカー」が最多(68%)となった。一方、転職先業種として最多だったのは「IT・インターネット」(62%)で、次いで「メーカー」(51%)、「コンサルティング」(47%)などが並んだ。
この結果から、ミドル世代がIT業界を転職先に考えている傾向がうかがえる。また、メーカーからコンサル業界への転身、官公庁からエンジニア職への挑戦といった越境事例も報告されている。
企業が期待するスキル
企業が異業種出身の人材に対して期待する点として最も多かったのは、「経験職種での専門知識・スキル」(75%)だった。次いで「マネジメント力」(46%)、「主体性と行動力」(40%)が挙がった。特にミドル層の採用では、「即戦力としての活躍」を期待する声が強い。管理職候補として、実務能力だけでなく、若手育成や組織運営への貢献も求められる。
一方で、異業種転職が実現しにくい理由として最多だったのは、「年収や待遇が下がることへの抵抗感」(49%)だった。さらに「本人の希望と企業が提示する待遇にギャップがある」(48%)という声も多く、希望とのズレがマッチングの壁となっている実態がある。
また、コンサルタントからは「過去の経験に固執しすぎるミドル層が、現実的な評価を見誤るケースもある」との指摘も。異業種転職には、市場価値の再認識と中長期的視点が不可欠だという。
転職前後で多い業界の組み合わせとは?事例をもとに紹介
以下のような具体的事例も報告されている。メーカー → 流通業界
原価管理や工程知識を活かし、バックオフィス業務に転身するケース。
メーカー → コンサル業界
製造現場で培った業務改善ノウハウを武器に、業務改革系のコンサルタントに転職。
市役所 → ITエンジニア
紙中心の行政業務の非効率さに課題を感じ、DX推進に取り組むエンジニア職へ。
金融 → 商社・サービス業
役職定年後、マネジメント経験を強みに中小企業へ転身する例もみられる。
いずれも、これまでの業界経験や職種スキルを異業種で再定義し、応用している点が共通している。
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