- 2025/09/24 掲載
なぜ日米で8倍もの差? 調査が暴いた「リスキリング冷める日本」、原因は職場……?
米国の学び直し意欲と日本との決定的格差とは
調査は、日本と米国の労働者各3096人、採用担当者各1030人を対象に、世界経済フォーラムの「Jobs of Tomorrow: Skills Taxonomy」(将来成長が見込まれる職種に必要なスキル分類法)に基づく26分類を用いて実施された。両国の労働者に「今後習得したい・高めたいスキル」を尋ねたところ、日本では「習得したいとは思わない」と答えた割合が29.3%に達した。米国はわずか3.7%にとどまり、25ポイント超の差が出た。
具体的に求められるスキルでは、日本は「回復力・柔軟性・敏捷性」(15.3%)、「好奇心・学び続けるマインド」(14.7%)、「共感・積極的傾聴スキル」(14.4%)など、上位をソフトスキルが占めた。一方、米国では「テクノロジーリテラシー」(24.8%)、「人工知能・ビッグデータ運用スキル」(24.7%)が上位2位となり、ハードスキル、とりわけテック分野への関心の高さが示された。
企業に「従業員に習得してほしいスキル」を聞いた結果、日本では「リーダーシップ・社会に影響を与えるスキル」が24.5%で最多だった。しかし労働者の回答では12.4%にとどまり、12.1ポイントの差があった。米国では「信頼性・細部への注意力」が34.5%で企業の1位となったが、労働者側は16.5%にとどまり、18ポイントの開きが確認された。
スキル習得支援策については、日本企業の22.7%が「特になし」と回答。労働者側でも45.6%が「勤務先に取り組みはない」と認識しており、企業の方針が十分に従業員に伝わっていない可能性がある。米国では「学習機会を提供する」企業が48.0%、「身につけるべきスキルを会社や上司が明示する」が45.7%を占め、企業主導での支援が浸透している。
大湾教授は「日本では従業員のスキル習得を促す仕組みが立ち遅れており、危機感が不足している。国際競争力の維持には、企業が積極的に学習機会を提供し、変化への対応力を高めることが欠かせない」と指摘している。
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