- 2025/12/26 掲載
AIゲーム開発はここまで来た…「Wizardry風」RPGを作ってみたら“激ヤバ”だった理由
1963年生まれ。Webコンサルタント、プロデューサー、編集者、ライター、エンジニア。90年代のIT雑誌を皮切りにWebクチコミサイト、SNS、電子書籍出版システム、ニュースメディアのグロースなどで、時代を先取りしてきた。
ゲーム開発を支える「ゲームエンジン」とは
ゲーム開発にバイブコーディングを利用する人が増えている。現在のゲーム開発ではUnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンを使うのが一般的だ。ゲームエンジンには、2Dや3Dのキャラクターやステージの描画や動作設定、ユーザー入力のリアルタイム処理、特殊効果や効果音やBGMの設定、物理演算など、ゲーム制作に必要な機能のほとんどがパッケージされている。UnityやUnreal Engineにはアセット(素材)ストアがあり、有料・無料のさまざまな素材を手軽に入手できる。ゲームエンジンの普及と進歩により、アイデアを形にする効率は飛躍的に向上した。
この分野でも早くからCursorなどを使ったバイブコーディングが行われてきた。ただし、ほかの分野に比べると、設計からビジネスロジック、UIの開発、テスト、デバッグまで、最初から最後までバイブコーディングで完結させることは、以前は難しかった。Unityなどのゲームエンジンは非常に複雑で、AIによる完全自動化が困難だったからだ。
UnityのAI活用が「激ムズ」だったワケ
Unityの場合、ゲームのキャラクターや背景の動きはC#というプログラミング言語で記述する。このC#スクリプトをAIに書かせることはできても、Unity上でゲームのシーンやオブジェクトを配置したり微調整する作業は、ずっと人間のエンジニアが担ってきた。つまり、Unityに熟達した人だけがAIによるプログラム開発の効率化の恩恵を受けられる状況だった。UnityをAIエージェントから自動操作するための「Unity-MCP」も複数の開発者によって提供されてきたが、ゲーム開発に必要な機能をすべて備えたMCPは存在しなかった。
Unityの開発元も早くからAI機能の開発に取り組み、ベータ版で提供してきた。Unity Ver.6.2以降は本体に組み込まれ、ベータ期間中は無料で利用できる。機能としては生成AIでテクスチャやC#スクリプトを生成したり、Unityの使い方の質問に答えたりしてくれる。開発の補助にはなるものの、簡単なカジュアルゲームを一から作ろうとしてもうまくいかず、これもUnityを使いこなせている人向けの補助機能だった。
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