• 2025/12/23 掲載

JCBと日本IBM、戦略的AIパートナーシップ締結、生成AI「watsonx」で基幹システム開発を革新

金融基幹システムの設計・開発・テスト工程にAIを組み込む取り組み本格化

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ジェーシービー(JCB)は日本アイ・ビー・エム(日本IBM)と戦略的AIパートナーシップを締結し、日本IBMの生成AI「watsonx」を活用して金融基幹システムの設計・開発・テスト工程にAIを組み込む取り組みを本格化した。一部システムでは設計からテストまでの開発効率が約20%向上したと報告されている。両社はAI活用を次期システム更改や他開発案件にも拡大する計画だ。
ジェーシービー(JCB)は2025年12月17日、日本IBMとAIパートナーシップを締結し、日本IBMの生成AI技術「watsonx」を活用して基幹システム開発の生産性と品質を向上させる取り組みを進めると発表した。今回の協業は、金融業界における競争力強化と新たな価値創出を目的に、AIをシステム開発の「共同パートナー」と位置付けるものであり、設計から開発、テスト、運用までの全工程に生成AI技術を組み込む点が特徴となっている。

両社によると、具体的には外部設計書から高精度なプログラム設計書やCOBOLコードの生成、単体テストケースの網羅的自動生成、ブラックボックス観点での補強、さらに500を超える提携先それぞれのインターフェース仕様や業界規制に準拠したテストデータの自動生成といったユースケースが進行している。これらの取り組みにより、一部システムでは設計からテストまでの工程で約20%の開発効率化を達成したとしている。

今回のパートナーシップでは、日本IBMのコンサルティング力やAIテクノロジーの知見を活用し、従来の人手中心の開発プロセスを根本的に見直し、生産性と効率性の両面で革新を図ることが狙いとなっている。JCBはAI活用を通じて、品質、スピード、コストのすべての面で効率化を追求していくとしている。

両社は今後、生成AIを活用した開発手法を次期システム更改や他システム開発プロジェクトへと拡大するとともに、自然言語による要件定義やAIによるコードレビューなど、より高度なAI活用領域の実装を目指す計画だ。JCBはこの取り組みを通じて、金融IT開発の次世代モデルの確立と高度化を図る考えを示している。

関係者によれば、基幹システムのようなミッションクリティカルなIT領域に生成AIを組み込む試みは国内でも例を見ない規模であり、AIを設計・生成・テストといった開発ライフサイクル全体に深く埋め込むことで、人手不足が深刻化するIT人材市場における生産性改善や開発期間短縮の効果が期待されている。

JCBは国際カードブランドを展開する企業として、国内外の主要業務を支える基幹システムの開発効率化と品質向上を進めつつ、AIを活用した革新的なIT開発モデルの構築を目指すとしている。両社は今後の協業を通じて、金融IT分野全般でのAI活用の標準化と拡大を目指す方針だ。

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